GI値(グリセミック・インデックス)と不妊の関係

GI値(グリセミック・インデックス)と不妊の関係

不妊症克服!〜食養生〜

みなさん、こんにちは。

以前「カロリーオフ商品と不妊の関係」という記事の中で、急激な血糖値の上昇によって引き起こされる”インスリン抵抗性”の怖さについてお伝えしました。

女性の生殖機能に大きなインパクトを与え、妊娠しづらくなってしまうという内容に、皆さんから多くの反響をいただきました。


中でも、特に多かったのは「血糖値の急上昇はどう気をつけたらいいの?」というご質問で、今回は血糖値の上昇に関わる「GI値」についてお話ししたいと思います。


GIとは「グリセミック・インデックス(指数)」の略で、糖質の血中への吸収度合いを示します。各食物の摂取後2時間までに血液中に入る糖質の量を計ったものです。

糖質を含んだ食物(炭水化物)を摂取すると、体内の消化酵素によって細かく分解・消化されてブドウ糖となり、血管内に吸収されて血糖値が上がります。

グリセミック指数=GI値高い食品ほど血糖値が急上昇し、GI低い食品ほど血糖値はゆっくり上昇します。


急激な血糖値の上昇を防ぐには、各食品のGI値を把握していることが重要になります。

具体的には、一体どういう食事を摂ったらいいのでしょうか?

精白米より胚芽米、白いパンよりライ麦パン

血糖値の急上昇の大きな原因となるもののひとつが、ご飯やパンなどの炭水化物です。
これらはエネルギー補給には欠かせないものですが、GI値が非常に高いんです。

 そこで工夫したいのが「少しでもGI値の低い主食に替える」ということ。

基本的に、白く精製されたものほどGI値が高いので、真っ白な精白米よりは胚芽米のほうが、そして白いパンよりはライ麦パンや全粒粉パンのほうが、ぐっとGI値が低くなるのでおすすめです。

ちなみに胚芽米よりも玄米のほうがさらに低GIではあるのですが、玄米は消化が非常に悪く「せっかくの栄養素が吸収されない」というデメリットもあるため、完全な玄米100%のご飯」というのは、実はあまりおすすめできません。その点、胚芽米であれば、胚芽の栄養をしっかりと摂りつつ、GI値対策もできるわけですから、まさに一石二鳥です。


さて、最後にもうひとつ。食べる順番も大切です。

低GI値の野菜から食べよう

食事の際に「GI値の高い食材」が入ってくるのはごく普通のことですから、食べ過ぎなければそれほど気にする必要はありません。

 それよりも「食べる順番」に気をつけることが大切です。

まず最初に低GI値の食品を、ゆっくりと食べること、これが鉄則です。

 

GI値の低い食品は、
海藻類・きのこ類・大半の野菜類・大豆食品
が挙げられます。

もっとも、野菜の中でもとうもろこし・にんじん・芋類・かぼちゃなどは高GIとなっていますが、それ以外のものについてはたいていが低GIです。 

簡単に言うと「一般的な味噌汁の具を最初に食べれば、ほぼ間違いなく低GI値」という感じです。野菜サラダも、にんじんとマッシュポテト以外のものであれば「真っ先にお箸を運ぶ食品」として最適と言えるでしょう。 

スイーツの量を減らして、ナッツ類を食べよう

さて、問題は「おやつ」を食べる時のGI値コントロールです。
現実的に考えて、「スイーツの前にサラダや味噌汁などを食べる」などという人はほとんどいないでしょう。

そんなときには「スイーツの前にピーナッツやアーモンドなどのナッツ類を少し食べる」というのがおすすめです。

 ナッツ類は低GI値で、しかもよく噛んで食べれば「食べた」という満足感が出やすく、さらにビタミンやミネラルも豊富で、栄養的にもすぐれた食品 なのです。血糖値の急上昇を防ぐだけでなく、スイーツの摂取量も減らす効果が期待でき、さらにアンチエイジングのための 栄養補給までできます。

ナッツ類が苦手な人であれば、「酢昆布」もおすすめですよ。こちらもミネラル豊富で、しかもナッツ類以上に低GIです。

妊活中はストレスで心身の疲労が溜まりやすく、ついつい甘いものや炭水化物系の食べ物に手が伸びてしまう方も多いかと思いますが、血糖値のローラーコースターは心身をさらに疲弊させるものです。東洋医学的にも生殖機能にとても大切な「脾」や「肝」の機能に負担がかかってしまいます。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方、PCOS気味の方、月経サイクルが乱れがちの方は特に、GI値に気を配り、血糖値を安定させる食生活を送ることが大切です。

妊娠中の血糖値コントロールや、ご主人の生活習慣病予防にも役に立ちますので、ぜひ毎日の食生活にGI値を取り入れてみて下さい。

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

小麦粉に要注意? グルテンのお話

不妊症克服!〜食養生〜

皆様こんにちは
1日も早く妊娠する為に、ご自宅でサプリメントや漢方などいろいろ試しているのに今ひとつ効果がわからない…?という方のために、妊娠力アップに繋がるヒントとして「グルテン」についてお話したいと思います

最近、このような症状はありませんか

□ いつも疲れている
□ 集中力がない
□ 気分の浮き沈みが激しい
□ 下痢や便秘
□ 肌の調子が悪い
□ アトピーやアレルギーがひどくなった
□ 太りやすい                 など

もしかしたらそれは「グルテン」が悪さをしているのかもしれません

なんとなく耳にしたことのある「グルテン」とは何かご存知でしょうか?
グルテンとは小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種で、お水と混ざると粘り気が出る成分です。
小麦粉に含まれるグルテンは、パンのモチモチ感を出したり、うどんのコシを出すなど、様々な食品で使われています。

パン・うどんの他にも

・ピザ
・ホットケーキ
・クッキー
・ラーメン
・パスタ
・お好み焼き

など、小麦粉は枚挙にいとまがないほどたくさんの食品で使われています。
他にも私達日本人がよく使っているお醤油にも小麦粉が使われているんですよ!

さて、この小麦粉に含まれているグルテンは、身体に対してどのような悪さをする可能性があるのかというと…



下痢や便秘、消化不良の原因に
体質によってはグルテンを異物として認識してしまい、過剰に反応した免疫が腸を攻撃し、慢性的な炎症が起きてしまうことがあります。それにより消化吸収が上手くいかず、消化不良腹痛の原因となったり、アレルギーを起こしてしまうことも…。

また身体や脳に栄養がいかないことで、疲労感集中力の低下気分が鬱々とするなどの症状にも繋がります。



肥満、糖尿病になりやすい
小麦粉にはアミロペクチンAという吸収の早い糖質が含まれていて、血糖値を急上昇させてしまいます。

急上昇した血糖値を下げるために、膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌されることで、今度は血糖値が急降下→脳に糖分がいかなくなることで眠気やだるさを感じ、身体はまた糖分が欲しくなる→摂取すると血糖値が上昇…の悪循環となるのです。

繰り返しているとインスリンの感受性も鈍くなり、インスリンを分泌しても血中の糖分がエネルギーへ変換されずに残ってしまい、高血糖のままとなることで肥満糖尿病の原因にもなってしまいます。

このようにインスリンの感受性が鈍くなることを「インスリン抵抗性」と言います。インスリンは男性ホルモンの産生を亢進させることから、この状態になると、卵胞の発育を妨げたり、排卵障害着床障害を起こす可能性がでてきます。



肌荒れやシワ、たるみは老化や紫外線だけではない
エネルギーとして代謝されずに余った糖は、タンパク質と結びつく性質があります。食後の血中に糖が多くあると、タンパク質と結びついて「糖化」が起こります。

この「糖化」は肌のコラーゲンを固めてしまうので、肌のハリをなくし、シワたるみくすみの原因となるのです。


すべての方に当てはまるわけではありませんが、身近にある食べ物がこのように悪さをしていたなんて驚きですね



東洋医学では、消化吸収・エネルギーの運搬には「脾」が深く関わっています。(「脾」についてはコチラ
消化吸収が悪くなることで「脾」の機能が弱まると「気・血・津液(水分)・精(活力)」がしっかりと作られなくなり、身体に不調が出たり病気になりやすくなります。
もちろん妊娠力の低下=不妊にも繋がりますので要注意です。


小麦粉は東洋医学で「温」の性質とされており、身体を温める作用があるため、下記のようなタイプの方は摂り過ぎに注意しましょう。
身体の熱が増え潤いが減ってしまうことにより症状が悪化してしまう場合があります。

・熱がり
・ほてりやすい
・便秘気味
・寝汗をかく
・口が渇きやすい
・冷たいものを好む
・コロコロした便が出る

また、脾の力が弱まり身体の余分な水分(湿)が溜まると、「湿」と「熱」が組み合わさって「湿熱」が生まれます。ドロドロとした痰のような湿熱は、気や血の巡りを悪くさせ、代謝を悪くし、太りやすくもさせます。皮膚表面では顔や上半身に吹き出物となって現れます。


小麦粉はほとんどの加工された食品に含まれていますので、グルテンフリーを徹底するのはとても大変です。
パンやパスタをよく召し上がっている方は、玄米とお味噌汁にするなど和食に切り替えてみましょう。そしておやつにクッキーやケーキを召し上がっている方は、小麦粉の代わりに米粉やそば粉・アーモンド粉を使って、ご自身で手作りしてみてはいかがでしょうか?
お砂糖の代わりに蜂蜜を使うなど、甘さの調節ができるので一石二鳥です。


日本ではあまり広まっていませんが、小麦粉をやめると

・健康的に体重コントロールができる
・疲れにくくなる
・肌がキレイになる

などの効果がある為、海外の有名女優さんにも、グルテンフリーダイエットを実践している方が増えているようです。
セラキュアに通って来られる外国人の患者様によると、アメリカやヨーロッパ、インドでは、グルテンフリーのパンやパスタが街のスーパーでも販売されているとのことです。アメリカのドミノピザでもグルテンフリー生地のものが選べるようになっているんですよ~


貴女の身体の不調がグルテンによるものかどうか判断するには、まずは2~3週間、小麦粉を避けた食事をし続けてください。その後、パンやパスタ等を食べてみることで、貴女の身体へのグルテンの影響を確認することができます。

実は当院にもグルテンに反応していたことがわかったスタッフがおり、現在グルテンフリーダイエットを実践中です!


食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

妊活中のカフェイン摂取について

不妊症克服!〜食養生〜

「妊娠中のカフェインは控えた方がよい」ということは聞いたことがあるけれど、妊活中はどうなのでしょうか?そんな疑問を持っている方も多いと思います。

今回は不妊とカフェインの関係についてお話していきます。

カフェで、オフィスで、ご自宅で。一杯のコーヒーを、ご自身のリフレッシュやリラックス方法にしている方も多いと思います。

コーヒーや紅茶の香りには、気持ちをリラックスさせる「アロマ効果」も。

また、「カフェインがないと、体がさめない」と朝一杯のコーヒーを日課にしている方もいらっしゃることでしょう。

コーヒーに含まれるカフィンには脳の神経を元気にさせてくれる「覚醒効果」がある分、過剰に摂り過ぎてしまうと、興奮状態が続いて夜の睡眠の質を低下させたり、カフェインを摂らないと元気がでない「カフェイン依存」の身体になったりしてしまうこともあります。


まず最初に、簡単なカフェイン依存度チェックをしてみましょう。これらの症状に2つ以上当てはまる方は、「カフィン中毒」になっている可能性があります。

一日にカフェイン飲料を5杯以上飲む
カフェインを摂らないと、集中力が無くなることが多い
朝のコーヒーがないと、睡眠はとれているのに眠気がとれない
カフェインを摂らないと身体がシャキッとしない
栄養ドリンクを常用している
カフェインを摂らないと頭痛がする



いかがでしたか? 2つ以上当てはまる方はカフェイン依存体質になっている可能性がありますので注意しましょう。依存が高くなるにつれてカフェイン感受性が鈍り、摂取量がどんどん増えてしまいがち。無理にやめると禁断症状が出るため、やめることが難しくなります。

2つ以上当てはまらなかった方も、たまに飲む緑茶やコーヒーがはたして妊活にどのような影響を及ぼすのか気になりますよね。

では、カフェインの特性について見ていきましょう。


<カフェインのメリット>
①頭をシャキッとしてくれる「覚醒効果』
カフェインは脳の司令塔に直接働きかけて、活動モードである交感神経のスイッチをいれてくれます。ただし、カフェインを摂取しないと頭がボーッとするという感覚は、カフェイン依存体質になっている可能性が高いので注意が必要です。

②ストレス解消に「アロマ効果」
コーヒーの香りを嗅ぐと、リラックスする時に多く出る脳波のα波が現れることが実験でわかっています。(杏林大学)※研究で使用されたコーヒー豆は、ブラジルサントス、グアテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイコナの6種類です。実験の結果、α波が最も多く出現したのが、グアテマラとブルーマウンテン。コーヒー豆により差があるようです。

③抗酸化作用
カフェイン飲料に含まれるポリフェノールには、活性酸素を除去する効果があります。またコーヒーを毎日飲む人は、全く飲まない人に比べて大腸ガンや肝臓ガンの発症リスクが半減していることが分かっています。(愛知県がんセンター)ただし、後で詳しく触れますが鉄分と一緒に摂取すると、鉄の吸収を阻害してしまうので、取り方には注意が必要です。

④脂肪燃焼効果
カフェインには脂肪分解酵素を活性化させ、脂肪燃焼を促進する効果があります。また食後にコーヒーを飲む人は、食後の血糖値上昇が抑制され、糖尿病リスクが軽減されるというデータも報告されています。(九州大学)
*血糖値が上昇し、血中のインスリンが多い状態が続くと男性ホルモンが増えてしまい、卵巣と下垂体の働きが乱されて、妊娠しづらくなります。高いインスリン抵抗性は、多能胞性卵巣症候群(PCOS)や自然流産の原因である可能性も高いと指摘されています。(ブログ:妊活中の糖分摂取

メリットだけ見てみると、妊活中でもカフェインを摂取しても良い気がしてきますね。次はカフェイン飲料が、妊娠出産の為のカラダ作りどのような悪影響を及ぼすのか見ていきましょう。


<妊活におけるカフェイン摂取の悪影響とは?>
①冷え体質になります
カフェインを摂取すると、元気が出たり頭がシャキッとしたりします。これは活動モードの交感神経を活発化させてくれているから。交感神経は血管収縮作用があるため、あまりに多飲すると冷えや自律神経の乱れにつながります。

②卵子が老化する可能性
カフェインの体内残存時間は人によって差はありますが、おおよそ4~7時間。少量は12時間後でも体内に残っていると言われています。「15時のおやつにコーヒー」は、睡眠時にカフェインの影響が残ってしまうため睡眠の質を低下させます。睡眠の質が低下すると、「メラトニン』や「成長ホルモン』の分泌が低下するため、卵子への抗酸化作用も低下します。(ブログ:メラトニンの卵子クオリティ改善効果

③「血」が不足する?!
東洋医学では、妊活中の女性にとって「血」は大切な要素。子宮内膜をふかふかにしたり、ホルモンを届けたり、子宮を温めるなど大切な役割を担っています。カフェイン飲料に含まれるタンニンやグルコン酸などのポリフェノールは鉄分の吸収を阻害する作用があり、もともと鉄欠乏性貧血になりやすい女性は摂取方法に注意が必要です。

④栄養吸収力が落ちる?!
カフェイン飲料に含まれる「タンニン」は、過剰に摂取すると胃粘膜を傷つけることも。消化器系の機能低下は、栄養吸収力の低下につながります。胃酸過多や胃腸虚弱の体質の方は、食前にカフェインを摂るのは控えましょう。


前述のようにカフェインには良い点がいくつかあるものの、デメリットの影響を考慮し、当院では妊活中のカフェインを控えるようお伝えしています

妊娠出産に向けてカフェインをたくさん摂っている方は減らしてくことが理想ですが、突然ストップすると禁断症状が出て体調を崩してしまうこともあります。

不妊治療中の最大の敵は「ストレス」です。いきなりカフェインをゼロにしてストレスがたまるのであれば、薄めのコーヒーや紅茶を適量飲むなどご自分の体調やカフェイン感受性を確認しながら、徐々に量を減らしていきましょう。

カフェイン摂取を少しずつ減らしていく段階では、
「午前中」
「食後に」
「1~2杯まで」
を意識してみましょう。

デメリットとメリットは表裏一体。カフェインに限らず、どんな食べ物でも体にいい影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。妊活中は様々な情報に迷うことも多いと思いますが、両方の側面を理解した上で、ご自分のライフスタイルにどのように取り入れるかを判断していただきたいと思います。私たち鍼灸師も一緒に考えながら、妊娠に向けたお身体作りをサポートさせていただきます

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

糖の真実:カロリーオフ商品と不妊の関係

不妊症克服!〜食養生〜

東洋医学では、お砂糖は身体を冷やすとされています。

妊娠を望む方に身体の冷えは大敵です。

不妊症の鍼灸治療の場では「お砂糖を摂りすぎないようにしてくださいね」とよくお話をするのですが、「人工甘味料にした方がいいですか?」とか「カロリーオフの飲み物ならいいんですか?」と質問されることがあります。

前回は、お砂糖についてブログ(→)を書きましたが、今回は主にカロリーオフの商品に使用されている人工甘味料についてお話させていただきます。

人工甘味料は大きく分けて二種類あります。

ひとつは、キシリトールやステビアなど天然に存在する甘味物質を人工的に抽出したもの。

もう一つは、アスパルテームやスクラロースなど天然に存在しない甘味を合成して人工的に作られた甘味料。天然のものよりも安価なため、こちらの方を食品の原材料欄でよく目にすることが多いと思います。

ダイエット飲料やシュガーレスガム、カロリーオフの清涼飲料水によく使用されています。

甘味料1

人工甘味料は少量で砂糖の何百倍もの甘さを感じるので、主にカロリーオフ商品にお砂糖の代わりに使用されています。

菓子パン・お菓子類などのカロリーオフ商品以外でも、お砂糖の使用量を減らすためや、コスト削減のために使用されています。


さて、この人工甘味料が、なぜ妊娠と関係があるのでしょうか?


アメリカのワシントン州で「ダイエット目的でカロリーゼロの飲料水を愛用する人」を対象にした研究があります。

以下のような条件で、被験者の血液検査をしました。

1日目→→水を飲んだ後にブドウ糖を摂取し血糖値を測定

2日目→→人工甘味料入りの飲料を飲んだ後にブドウ糖を摂取し血糖値を測定

結果、人工甘味料入りの飲料を飲んだ後の方が血糖値がより上昇し、インスリンの分泌量がなんと2倍になったという研究結果が出たのです。

人工甘味料は吸収されずにそのまま体外に排出されるので、血糖値には影響が無いと言われてきましたが、この研究によりインスリンの分泌に関係することがわかりました。

またフランスの研究では、”人工甘味料入り炭酸飲料”と”砂糖入り炭酸飲料”の影響を比較調査し、両者とも2型糖尿病の発症リスクを上昇させるとの調査結果が出ました。

しかも、”人工甘味料入り炭酸飲料”を週に500ml飲んでいる場合は、砂糖入りに比べて2型糖尿病の発症リスクが15%増加、1500ml以上飲んでいる場合は59%も上昇することがわかりました。

※2型糖尿病とは、肥満や運動不足・ストレスなどをきっかけにインスリンの働きが悪くなったり、インスリンの分泌量が減少し、血糖値の調整ができなくなることで起こる生活習慣病です。


甘いものを食べたいけど太りたくない…そんな希望を叶えてくれるはずだった人工甘味料は、かえって肥満や糖尿病を発症させてしまうことがわかったのです。

人工甘味料は腸内細菌のバランスを崩し、血糖値を下げにくい状態にする作用もあります。それにより、妊娠の妨げになるインスリン抵抗性を引き起こし、不妊へと繋がってしまう可能性も指摘されています。

よく使用されている『アスパルテーム』は通常の摂取量では安全と言われていますが、脳腫瘍や白血病、リンパ腫、ガン、腎機能障害を起こす可能性があるなど、人体に有害であると警告している研究者もおり、危険疑惑のある人工甘味料のようです。

 

そして今度はなんと、男性不妊にも関わっているという衝撃的な研究結果も発表されました。

アスパルテームの摂取によって、元気な精子が減るという報告が日本薬学会で報告されたのです。

マウスを2グループに分けた実験をしたそうです。

Aグループ→→毎日1回アスパルテームを投与したマウス
Bグループ→→毎日1回水を与えたマウス

正常な形態で真っ直ぐ進む精子の数が、Bのマウスは25%あったのに対し、Aのマウスは16%ほどだったそうです。


以上をまとめると。。。

アスパルテームに代表される人工甘味料は、

・肥満・糖尿病の発症リスクを上昇させる
・インスリン抵抗性による不妊の可能性
・精子の減少に関係する


ということがわかっています。

皆さんも清涼飲料水を飲んだ時に「口の中に変な甘味が残るな」と思ったことはありませんか? そんな時は原材料を確認すると、人工甘味料が使用されていることが大半です。

妊活中の方はできればご夫婦ともに清涼飲料水は避けて、お水やお茶、100%のストレートジュースなど、ナチュラルな材料でできたものを選ぶようにしましょう。

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

糖の真実:妊活中の糖分摂取について

不妊症克服!〜食養生〜

南国でとれる食材、例えばパイナップルやマンゴーなど、は身体を冷やす性質があるのはご存知ですか? 

反対に、寒い地域でとれる食材は身体を温める性質があります。

地域と季節に合わせた食材を摂ることで、本来の身体のバランスを保つことができるのです。

 


今回は、主に暖かい地域で生産されているお砂糖についてお話をさせていただきます。

お砂糖は様々な食品に含まれ、私達は日常的に摂取しています。
ケーキやパン・お菓子類はもちろん、ジュース・アルコール類・お弁当・お惣菜やサラダのドレッシングなど、至る所で使用されています。

一般的に、お砂糖の原料といえばサトウキビ
日本では主に沖縄で生産されていることは有名ですね。
暖かい地域でとれるサトウキビは、身体を冷やす性質があります。

お砂糖は東洋医学でも陰性の食品とされており、摂りすぎると身体を冷やしてしまったり、胃腸を弱らせてしまうと言われています。


妊娠を望む場合、お砂糖を避けたほうがいいのでしょうか?
それが今回のテーマです。

東洋医学では、妊娠するために一番重要なものは「血」。←”ち”ではなくて“けつ”と読みます。

子宮内膜をつくるのも、卵子や卵胞に栄養を運び成熟させるのもが行なっています。着床した受精卵を育てるのも、の役目。

西洋医学/生理学でも、脳で分泌されたホルモンは血液によって運ばれ、骨盤内の生殖器に届きます。不妊治療で使用する様々なお薬も、血流にのって運ばれます。

受精卵が着床する内膜も、毛細血管が充血してできるもの。

女性にとって、はとても重要なものです。


お砂糖の過剰摂取によって身体が冷えると、血の巡りを悪くし、ホルモンバランスを乱す原因となったり、子宮や卵巣の環境を悪くしてしまいます。東洋医学では瘀血(おけつ)といいます。

さらに、冷えによって胃腸の働きが弱くなり、血液の元になる栄養分を作れなくなり、身体の血が不足してしまいます。東洋医学では血虚(けっきょ)といいます。


砂糖の害は、単に身体を冷やすことだけではありません。ベビ待ちの女性にとってはもっと深刻な症状へと繋がる可能性もあります。


糖分を摂取して血糖値が急激に上がると、膵臓からインスリンが大量に分泌されて、今度は急激に血糖値が下がります。

低血糖になると、再び身体が糖分を欲し、甘いものに手が伸びる原因となります。食後に何か甘いものが欲しくなるのは、食事後に低血糖になっているからなのです。

このような血糖値のローラーコースターに振り回されていると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの感受性を鈍くしてしまうインスリン抵抗性という状態を引き起こす原因となり、これが排卵障害などの不妊症へと繋がってしまうことがわかっています。

砂糖

イギリスのニュースページで、こんな画像を見つけました。食べ物に含まれている糖分を角砂糖に換算すると、かなりの量になることがわかります。例えばス●バのカフェモカは、なんと角砂糖9.5個です! 




さて、ひとくちにお砂糖といっても様々な種類がありますが、そのすべてが害になるのでしょうか?

まずは、ご自宅で使っているお砂糖を見直してみてください。

精製されている白砂糖やグラニュー糖は、糖の吸収率がとても高く、血糖値の急上昇・急降下を招きます。

黒砂糖やきび砂糖など茶色いお砂糖はミネラル分が入っており、少ない量でも自然な甘みを感じます。栄養面では白砂糖よりはおすすめですが、血糖値の急上昇は白砂糖やグラニュー糖とほぼ変わりません。

糖分は種類を問わず、血糖値に影響を与え、インスリン抵抗性を引き起こす可能性があります。

残念ながら、果物に含まれている果糖も同じです。

とはいえ…甘いものがない生活によって、よりストレスを感じてしまう方もいらっしゃいます。

そんな方にオススメなのが、てんさい糖です。

日本では北海道だけで作られているてん菜が原料となっています。
てん菜はビートまたは砂糖大根とも言われ、カブに似た形をした植物です。
砂糖の中で唯一、身体を温める性質があります。

さらに他の種類のお砂糖と比べて血糖値の上昇も穏やかなのが特徴です。

茶色いてんさい糖をよく見かけますが、本来のてんさい糖は白色をしているようです。
茶色のてんさい糖は煮詰めて出た色のようですので、白いてんさい糖よりもミネラル分が少なくなっているようです。

北海道てん菜協会というのもありましたので、気になる方はご覧になってみて下さい。→

血糖値が安定してくると「甘いものが食べたい!」という欲求が少なくなってきます。

血糖値の急上昇に気をつけるだけで、自然にお砂糖の摂取量を減らすことができますよ。

…..とここまでご説明をすると、半数ぐらいの方に
「人工甘味料ならいいの?」
と質問されます。

それはまた次回ご紹介いたします。

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

ママになるための栄養セラピー 〜その1〜 コレステロール

不妊症克服!〜食養生〜

中医学では「医食同源」。英語でも「You are what you eat. 食は人なり」と言われるように、健康になるためには医療と同じくらい毎日の食生活が大切です。

 

ましてやこれから赤ちゃんを授かろうとする女性にとって「何を食べるか、食べないか」は、重要な課題です。毎日の食事は、卵子のクオリティや内膜の状態、着床を左右する免疫などにも関係し、妊娠が成立した場合には胎児の成長、子供の将来の健康にまで影響を及ぼすからです。

栄養バランスをチェックするための血液検査をすると、女性の約8割が栄養不足に陥っていると言われています。ほとんどの方が三食きちんと食べていて、食材は溢れているのにどうしてかしら?と思いますよね。

 

そこで、これから数回のシリーズで「ママになるための栄養セラピー」をお届けしますので、皆様の妊活中の食生活の参考にされて下さい。

これを機会に、食生活を見直し、ママになる準備を始めましょう。

 

まず、初回。

「コレステロール」のお話です。

コレステロールと言えば、あまり身体に良くないというイメージがあるので、意外!?と思われた方も多いと思います。

しかしコレステロールは、妊娠するためにとても大事な栄養素なのです。

コレステロールはホルモンの材料

三大栄養素にたんぱく質、炭水化物、脂質がありますが、コレステロールはこの脂質の一種です。人の身体は60兆個の細胞が集まって出来ていますが、その1つ1つの細胞を保護している細胞膜を構成するのにコレステロールは使われています。

子宮内膜をふかふかなベッドに整えたり、卵子を育てたり、排卵を促したりするホルモンの材料にもなっていますし、コレステロールが高い女性ほど、AMH(抗ミューラー管ホルモン)=卵巣予備能の値が高くなるという研究結果もあります。

コレステロールは抗ストレスホルモンの材料にもなっているので、ストレスが高いとどんどん減ってしまいますので注意が必要です。

実際になかなか赤ちゃんを授かれずに悩んでいる方の食生活を確認すると、低コレステロール血症の傾向にある方が少なくありません。

毎日のお食事で、良質のコレステロールを効率良く摂取するように意識してみて下さい。

 

★妊活中におすすめ!良いコレステロールを多く含む食材

卵黄、うなぎ、イカ、豚レバー、鶏レバー

食事から摂る1日のコレステロールの適正量は500〜600mgが良いと言われています。卵1個には約250〜300mgのコレステロールが含まれているので、卵だけで言えば2個で1日分が摂取できることになります。

血液中のコレステロールは、たんぱく質を材料にして肝臓で約80%が作られ、あとの20%が食事からの摂取となります。

肝臓で作るコレステロールの量は、体内のコレステロールの量に応じて調整されているため、食事でコレステロールを摂取しても必要以上にコレステロール値が高くならないようになっているので、なるべく毎日不足しないようにしましょう。

次回は、コレステロールをより効率よく摂るためのキー食材であるたんぱく質についてお話ししたいと思いますのでお楽しみに♪

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

砂糖は老化を促進する?糖と不妊の関係

不妊症克服!〜食養生〜

 

「砂糖は身体に毒」とよく言われ、昨今では糖質制限ダイエットがブームになっています。

砂糖

このブログでもお砂糖や血糖値についてお伝えしたり、院内でも糖分摂取について患者様から質問をいただくことが多くなりました。

血糖状態が続いてしまうと、インスリン抵抗性を引き起こし、不妊の原因となる排卵障害や「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」になる可能性があるからです。

 

さらに、血中の余った糖は赤血球に結びついてしまうため、血液がドロドロになり、東洋医学でいう「瘀血(おけつ)=ヘドロ血」となってしまい、お肌の黒ずみやカサつき、情緒不安定、冷え、生理痛、子宮内膜症、不妊症など様々な症状の原因となってしまいます。


正常な赤血球は細い血管を通る際、柔軟に形を変えて通っています。

しかし糖がくっついた赤血球の場合は柔軟に形を変えられず、細い血管を通り抜けるのが困難になり血流が悪くなります。


子宮や卵巣には毛細血管が編目のように走っており、その血流が滞ると、冷えやホルモンバランスの乱れ、卵子・子宮内膜の成長にも影響が出てきてしまうのです。


糖の害はそれだけではありません。なんと老化の原因にもなるんです。


血中の糖が過剰に増えすぎると、身体の細胞や組織を作っているタンパク質と結びつき、体温で熱せられ「糖化」が起こります。糖化されたタンパク質は、老化を進める原因物質である「AGE」となって蓄積していきます。

AGEとはAdvanced Glycation End-productsの頭文字をとって「AGE」、日本語では「終末糖化産物」と言われている物質です。ちょっと怖い名前ですね :-( 



正常なタンパク質が糖化してAGEが生成されると、タンパク質の機能を低下させたり細胞を傷つけたりするため、組織の組成が弱くなり、臓器の機能が低下してしまいます。


たとえば骨や血管に蓄積されれば骨や血管がもろくなり、お肌に蓄積されると肌の弾力が失われ、シワやたるみの原因になります。

AGEは老化の原因そのものなのです。

もちろんこれが卵巣に蓄積すると、卵巣機能が低下し不妊のリスクを高めてしまいます。

AGEが蓄積している人ほど体外受精や顕微授精の結果が悪かったことから、AGEの蓄積は卵巣機能の低下や妊孕性(妊娠しやすさ)の低下に影響を及ぼしているというデータがあり、論文も発表されています。(英語の論文のサマリーはこちら→)

 


そしてこのAGEは体内で作られるだけでなく、身近な食べ物からも摂取してしまっているのです。

AGEは「タンパク質と糖が熱せられてできた物質」。たとえば大人気のパンケーキ。


小麦粉と砂糖に、タンパク質である卵・牛乳をまぜて加熱すると、こんがりと焼き色のついたパンケーキができあがります。

パンケーキ

 

このこんがり焼けて色づいたところが糖化した部分であり、AGEが発生している部分なのです。

食品に含まれるAGEはほとんどが消化されますが、約7%は体内に蓄積されます。
調理法を工夫して、AGEの摂取を減らすようにしましょう。

AGEが多くできてしまう調理法として多い方から

揚げる

焼く・炒める

煮る・蒸す



となります。

わかりやすく、実際の食品で比べてみましょう。


焼き餃子と水餃子であれば、焼き餃子は水餃子の2倍ほどAGEを含みます。
カツ丼と親子丼を比べると、カツ丼は揚げる調理をしているため親子丼の5倍ほどAGEを含んでしまいます。

揚げ物は身体によくないというのも、脂肪が多いだけでなくAGEも多く含まれるからなんですね。

血糖値が高い状態が続けば続くほど、タンパク質と結びつく時間が長くなるため、AGEが増えていきます。
急に糖質を完全にカットして0にするのは難しいことですが、まずはジュースやお菓子類を控えたり、食事は野菜から先に食べてよく噛むようにするという習慣から始めていきましょう。

減らす努力をするだけでも必ず身体は変わってきます。
食生活を見直し、血糖値をうまくコントロールしながら糖化を防いで、妊娠する力を高めていきましょう。

妊活中もOK。米麹の甘酒

不妊症克服!〜食養生〜

 

当院では妊活中のアルコールと糖分の摂取を控えるようにお願いすることが多いのですが、そうするととっても悲しい顔をされる方がいらっしゃいます 😥 

そんな方に、少量の甘酒なら良いですよ〜とオススメすることがあります。

甘酒といえば日本古来の飲み物ですが、実は栄養が豊富で、最近ではその健康効果に注目が集まっています。

甘酒

甘酒には栄養&酵素がたっぷり!

今でこそ冬に飲むイメージが強い甘酒ですが、江戸時代には夏の風物詩として親しまれていました。体力回復に効果がある「夏の栄養ドリンク」として欠かせなかったのです。

含まれる栄養成分は、ぶどう糖、必須アミノ酸、食物繊維、オリゴ糖、ビタミンB1、ビタミンB2、B6などなど、栄養剤の点滴とほぼ同じ内容。そのため「飲む点滴」とも呼ばれています。

ビタミンB群には疲労回復効果があり、麹に含まれる食物繊維やオリゴ糖は腸内環境を整えるため免疫力アップにも繋がります。またブドウ糖は、すばやく体のエネルギーへと変換されます。

麹は、酵素の宝庫と言われ、その種類は100種類以上とも言われています。その中には脂肪を分解する酵素も含まれているため、脂肪吸収を抑制する効果も期待できます。


 
米麹からできた甘酒を選びましょう

甘酒には「酒粕」からつくられたものと、「米麹」から作られたものがあります。

【酒粕の甘酒】
日本酒を精製する時に、麹を発酵熟成するとできる「酒粕」。その酒粕に砂糖を加えたものが、酒粕の甘酒です。その為アルコール分を含み、砂糖がたっぷり入っているものが多いようです。市販品の中には、アルコール分が1%以下のものだと清涼飲料として販売されている場合がありますので注意してください。
 
【米麹からつくられた甘酒】
麹菌によって米のでんぷんを糖化させ、たんぱく質をアミノ酸に分解したもの。
砂糖は使っていないので、でんぷんの自然な甘さを楽しめます。


妊活中のみなさまにはアルコール分が含まれず、砂糖を使用しない「米麹」から作られた甘酒がおすすめです。


また、米麹の甘酒はご自宅で簡単に作ることができます。
 
 甘酒の作り方
 材料:白米、またはもち米1合 麹100g
 作り方(1)炊飯器でお粥をつくる
    (2)60度くらいに冷ます
    (3)麹をいれてしっかりかきまわす
    (4)炊飯器の蓋は少しあけた状態でぬれ布巾をかぶせ、
       保温モードで8時間ほど発酵させる。
    (5)完成!
       そのまま飲んだり、水で薄めて好みの甘さに調整してください。




体を温め、気血水を補う甘酒は妊活にも二重マル

東洋医学的に甘酒は、体を温める「温」のものに分類され、「脾」「胃」を強くします。「脾」が強いということは、食事から得られるエネルギーをうまく吸収することができるので、妊活中の体には有効です。さらに、エネルギーである「気」を補い、体を潤す「水」を増やし、「血」の流れを促進してくれるので、疲れやすい、血行が悪い、お肌の乾燥などの症状が出ている方にもオススメです。

体を温め、発酵食品なので腸内環境を改善する効果もある甘酒。「お砂糖を控えているけど、甘いものが欲しい」。そんなときにも安心して取り入れていただける飲み物です。それでも糖分濃度は高めですので、くれぐれも飲み過ぎには注意してくださいね。


食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

妊活中のサプリメント摂取

不妊症克服!〜食養生〜

「このサプリメントを飲んで妊娠できた!」

「何年も実を結ばなかったのに、サプリを飲んだらたった数ヵ月で赤ちゃんが!」

世の中にはこんな広告があふれていますが、実際の効果はどれくらいなのでしょうか?

そもそもサプリメントって何でしょうか?

 

サプリメントとはダイエタリーサプリメントの訳。

「栄養補助食品」「健康補助食品」とも呼ばれ、「医薬品」ではなく「食品」に分類されます。

サプリメントは、あくまでも足りない成分を補う補助食品。

決して不妊症が治ったり、飲めばすぐに妊娠できるような万能薬ではありません。

食生活や生活習慣の乱れから起こる不足しがちな栄養素を補うものです。

 

ということは、

乱れた食生活や生活習慣を見直せば、サプリメントに頼らなくても大丈夫ということになります。

 

食生活や生活習慣が乱れている中でサプリメントを摂ることは、

毎日甘いものをたくさん食べながらダイエットフードを食べるようなもの。

まずはご自身の生活スタイルをしっかり見直すことが大切なのです。

 

ただし、食事だけでは摂取しにくい栄養素もあるので、その場合はサプリメントを検討してみても良いでしょう。

 

例えば、妊活中の方にオススメの「葉酸」。血液を増やし、子宮内膜を強化することができるので、妊娠力をアップすることができます。また、妊娠中に飲むと胎児の神経管閉鎖障害を防ぐことができるとされ、妊活中から飲むことによってさらにそのリスクを減らすことができます。

葉酸を多く含む食品は納豆やたたみいわし、ほうれん草、モロヘイヤ、アボカド、イチゴなど。ただ、加熱や調理することによってその食品に含まれる葉酸の多くを失ってしまいます。指定されている量をしっかり守りながら、サプリメントで上手に補うのも悪くはありません。まずは普段の食事から摂取することを第一に心がけながら、サプリメントを活用していきたいですね。

 

このように賢くサプリメントを取り入れていくのは、一つの方法として悪いことではありませんが、高額なサプリメントをやみくもに飲んだり、何種類ものサプリメントを一気に飲んだりするのは、賢い飲み方とは言えません。

 

また、胃腸が弱い、便がいつも下痢気味、足がむくみやすい、疲れやすいなどの症状をお持ちの方いらっしゃいませんか?

 

こういった症状をお持ちの方は、サプリメントを飲んだとしてもきちんと栄養が吸収されずに折角のサプリメントの効果も発揮されません。

サプリメントを飲む前に、ご自身の体調/体質をしっかりと見直す必要があります。

 

サプリメントの摂取に迷っていたらぜひ一度、鍼灸師までご相談ください。

 

 

 

 

 

妊活と豆乳

不妊症克服!〜食養生〜

先日、こんな相談を受けました。

「豆乳を飲み始めたら生理痛がひどくなったように感じるんですけど….」

豆乳は、健康ブームにのって多くの方が飲まれています。

美肌効果がありますし女性ホルモンを整える作用もあるので、たくさん飲んだ方が良いという説もあるようです。

 

しかし、それは本当でしょうか?

 

豆乳は良質のたんぱく質に加え、ビタミンEやサポニン、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をするイソフラボンなどを含んでいます。

 

エストロゲンは主に卵胞期に働くホルモンで、卵子を成熟させたり、子宮内膜を厚くしたりするなど、妊娠する上では欠かせない作用があります。

 

ということは、妊活中はエストロゲンに似た作用をもつイソフラボンをたくさん取った方が良い!

…か、というとそうでもありません。

 

それは、エストロゲンが過剰になることでいろいろな不調を引き起こす可能性があるからです。

 

例えば、生理周期が乱れたり、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどの病気を引き起こしたりすることもあります。

 

また、体質によってエストロゲンに対する感受性が強い人もいて、適量を摂っていてもエストロゲンが過剰になることもあり、ますますリスクが高まります。

 

*ちなみに、イソフラボンを吸収しやすい体質かどうかチェックすることが可能です。ソイチェックというキットがamazonなどで販売されており、簡単にチェックできますのでご興味のある方は、試してみると良いかもしれません。

 

豆乳の適量は、1日200ml.までとされますが、飲んでいるうちに何か不調を感じるならば摂取を中止した方が無難です。

 

体質に合った適量を摂取すること、そして不妊治療中はいろいろな食物をバランスよく摂ることが大切。

 

過ぎたるは及ばざるがごとし、です。

健康ブームの中でたくさんの情報があふれています。セラキュアではひとりひとりの体質に最適な妊活中・妊娠中の食生活を見つけるお手伝いをしております。治療の際に、お気軽にご相談くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

英語ページ english