シリーズ「妊娠できるからだ作り 第3回」 〜冷えないカラダ作り〜

シリーズ「妊娠できるからだ作り 第3回」 〜冷えないカラダ作り〜

妊活~東洋医学の視点から

ひと雨ごとに秋の気配が深まる今日この頃
皆様いかがおすごしでしょうか。

さて、シリーズ「妊娠できるカラダづくり」。今回のテーマは、、、

「冷えないカラダをつくる!」です

朝夕はめっきり涼しく過ごしやすくなってきたものの、日中はまだまだ暑さが残る日もありますね。そんな中、ついつい冷たい飲み物や食べ物を取りすぎたりしていませんか。または朝夕の冷え込みで体調を崩している方もいるかもしれません。そんな場合は要注意。

■ 手足が冷たい
■ お腹に手を当てると、手が温かく感じる
■ 冷たい飲み物をよく飲む
■ 運動は週1回以下
■ よく下痢や便秘になる
■ 汗をかきにくい
■ 月経血に塊状のものがでる


上記の項目に一つでもあてはまる方は、身体が冷えている可能性が大!
体質改善が必要です


本来、人間は恒温動物(こうおんどうぶつ)であり、外気温が変化してもほぼ一定に体温を保つ能力を持っています。しかし、生活習慣の乱れや冷房のあたりすぎ、冷たいものの食べ過ぎ運動不足による筋力低下などの理由により、その機能がうまく働かず、身体が冷えてしまっている方が最近増えています

冷えている状態=血行不良です。血液は細胞や臓器が活動する為に必要なエネルギーやホルモンを運んでいるため、血行不良の状態が続けば臓器の機能も低下。卵巣や子宮もしっかり働けません。

例えば女性に多い足の冷え。心臓から足へと栄養を運ぶ血液は足先でUターンして心臓に戻ってくるのですが、足先が冷えていると血液も冷やされてしまいます。心臓に戻る途中にある卵巣や子宮といった骨盤内臓器も、その冷たい血液によって熱を奪われてしまいます。 つまり足が冷え冷えだと、子宮や卵巣も冷え冷え。子宮や卵巣の機能はどんどん低下します。


理想的な身体の状態は「頭寒足熱」。言葉の通り、頭は涼しく、足が温かい状態が理想です。そこで、当院でオススメしているのは「足湯」です。

お風呂で湯船につかっていれば大丈夫? いえいえ、お風呂は温められる体表面積が大きいので、身体の表面はすぐに温まりますが、そこで大抵の人は熱くてお風呂から出てしまうので、身体の芯までは温まりません。例えていうなら、ステーキを外側カリっと焼いても中がレア。そんな状態です。身体の芯までしっかり温める為には、じっくりゆっくり温める足湯が最適なのです。


さらに、冷え症をタイプ別でみてみましょう。
東洋医学的には、大きく2つに分類できます。

①身体を温める「」のエネルギーが不足しているタイプの冷え症さん
冷えを自覚している寒がりタイプ。女性はもともと熱を生み出す力が弱く、冷えを感じやすいので、女性に多くみられるタイプです。基礎筋力をつけたり有酸素運動をしたりと、冷えない身体づくりが大切です。
●特徴:寒がり。下痢しやすい。むくみやすい。あたたかい飲み物が好き
● 体質改善アドバイス:冷たい風にあたらない。冷たい飲み物や冷たい食べ物は控え、身体を温める有酸素運動を行なう。

②身体をうるおす「」のエネルギーが不足しているタイプの冷え症さん
隠れ冷え性タイプ。身体をクールダウンさせる力が弱っているので、のぼせたり、汗をかいたりと上半身は熱を感じますが、実は下半身と身体の芯は冷えています。本人は暑いので冷やしすぎてしまう傾向がありますが、骨盤内は冷えている場合が多いため注意が必要です。
●特徴:唾液が少ない。口が渇きやすい。顔がほてる。寝汗をかく。暑がり。どちらかというと短気。冷たいものを好む。吹き出物できやすい。
●体質改善アドバイス:怒らない。睡眠をしっかりとる。冷たいものや辛いもの食べ過ぎない。温める場所は、下半身。上半身は温めないこと。

身体の中の「熱」と「水」のバランスを整えてあげることが、冷えを改善するには大切です。ご自分の「冷えタイプ」がどちらかわからない、どのような対策や治療をしたら良いのかなど、鍼灸師にお気軽にご質問下さいませ!


冷えが改善されると、基礎体温が安定したり、生理の血の状態が変わったり、妊娠力アップの良いサインが見られるようになります。冷えは体質だからとあきらめるのではなく、しっかり改善していきましょう!

シリーズ「妊娠できるからだ作り 第2回」 〜基礎体温について〜

妊活~東洋医学の視点から

「妊娠できるからだづくり」シリーズ第2回目

今回のテーマは、、、「基礎体温」です

前回、質のいい卵子を作る為には180日前からライフスタイルを含め、身体全体のバランスを整えていくことの大切さをお伝えしました。

そこで! その指針となるのが「基礎体温」。基礎体温とは、身体が一番安静な状態にあるときの体温のこと。朝起きて布団から出る前に測ります。

基礎体温をつけると、生理周期や排卵日など、女性の身体をコントロールしている女性ホルモンの動きが確認できます。そして毎日継続的に記録することであなたの身体のリズムが見えてきます。

健康的な女性の基礎体温をグラフにすると、下のグラフのような二相の曲線を描きます。


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めやすは、
●低温期と高温期の差が0.3度以上
●低温期から高温期へは1~3日以内に移行
●高温期が11~14日間維持している  
   

です。

この理想的な体温と比較して,基礎体温に下記のような特徴が出ている方はライフスタイルの改善と治療が必要です。

●低温期に体温がジグザク上がってしまう
 ストレスがたまっていたり、睡眠をしっかりとれてなかったりすると、低温期に体温があがりやすくなります。低温期に体温が安定しないと、卵胞や内膜の発育に悪影響がでます。
(ワンポイント対策
ゆったりした生活を意識
低温期は早めの就寝を心掛け、ストレスをためないようにしましょう。

●低温期から高温期への移行が3日以上かかる
 お身体の冷えが強い可能性があります。
(ワンポイント対策
 足湯がオススメ
 身体の内からも外からもしっかりあたためてあげましょう。

●高温期が短い、高温期に体温が下がる
 低温期に質の良い卵胞が成熟していない可能性があります。卵胞のクォリティが低いと、高温期に分泌される黄体ホルモンがしっかり分泌されず、体温が下がってしまいます。
(ワンポイント対策
 周期全体を通してのストレス、冷え、睡眠、食事、運動など全般的なライフスタイルの改善が必要です


今回は多くの方に見られる、冷えやストレスからくる基礎体温の乱れについてご紹介させていただいましたが、グラフのパターンは十人十色。一般的に2~3ヶ月間、基礎体温をつけていただくと、ご自分のパターンが見えてきます。そして、いつ、何を、どのように改善、もしくは治療をすればいいのかが見えてくるのです。


このように、排卵日や月経周期だけでなく、ライフスタイルや体調の変化も教えててくれる基礎体温。まだ基礎体温をつけたことがないという方は、是非この機会に始めてみませんか?


妊娠に向けた鍼灸治療では、基礎体温表を参考にしながら、月経周期に合わせて治療方法を変える周期療法を行なうことができます。基礎体温表をつけてる中で、不明点などありましたら、鍼灸師までお気軽にお尋ねください!

シリーズ「妊娠できるカラダ作り」スタート!

妊活~東洋医学の視点から

当院はスタッフ全員が女性鍼灸師ですので、女性ならではのデリケートなお悩みも気軽にご相談いただけるのが強みの一つ。不妊症に悩まれている方も数多くご来院いただいております。

そこで、知っているようで知らない“妊娠できるカラダを作るために大切なこと”を、今回より10回シリーズでお伝えしていきたいと思います





第1回目は、「意外と知らない卵子のお話」です。



早速ですが、皆さんは毎月排卵される卵子が、何日かけて育ったものかご存知ですか



月経の周期毎に新しい卵子が生まれて、育って、排卵される!と思っている方も多いのではないでしょうか。



答えは、、、、



約180日です



排卵される卵子の元となる原始卵胞は、私達がお母さんのお腹の中にいる胎児の頃に一生分用意されています。排卵の約180日前に眠っていた原始卵胞が目覚めて成長をはじめ、第一次卵胞→第二次卵胞→成熟卵胞と成長をして排卵にいたります。



スタートの段階では複数の卵子が同時に成長をはじめます。このぷくぷくと成長をしている複数の卵子の中から、一番大きくなった成熟卵胞が選ばれ排卵されます。つまり「質より大きさ」が優先されるので、育ってくる卵子のストック全体の質を高め「どれが選ばれても大丈夫!」という状態を作っておくことが、妊娠するためにとても大切です。



では、質のよい卵子を作るにはどうしたらいいのでしょうか



180日間かけて成長していくわけですから、排卵日の前だけでなく、180日前=約半年前からライフスタイルを見直す必要があります。私達が寝不足になったり、しっかり栄養をとらないと肌がカサカサ/疲労困憊になってしまうのと同じように、卵子も栄養不足/睡眠不足ではクォリティが低下してしまいます



しっかりと栄養をとって、十分な睡眠をとり、気血をめぐらせ温かいカラダをつくることが、良いホルモンバランスを保つためにも必要ですし、良いホルモンバランスを保つことで卵子の質を高めることができるわけです。



では、体質別にはどんなことが必要になってくるのか?

次回からさらに詳しくお伝えしていきますどうぞお楽しみに

秋の養生

妊活~東洋医学の視点から

お彼岸が過ぎ、しのぎやすい季節となりました。

東洋医学では、四季おりおりにライフスタイルを変えていくことが、健康を保つために大切な要素となっています。

春には春の、夏には夏の養生法があります。

 

では、秋になったらどんなことに気をつけたら良いのでしょうか?

 

秋になると暑さがやわらいで、空気の湿度が下がり、過ごしやすくなってくる時期です。

反面、乾燥が気になる時期となります。

東洋医学では、乾燥によって弱くなりやすい臓腑は「肺」。

東洋医学での「肺」は、体表に気を巡らし、外からの「邪気」から身体を守るもの。免疫システムに深く関わりがあります。

また、水分を体内に散布させる役割があり、水分代謝にも重要な機能も持っています。

もちろん「呼吸器系」「皮膚の状態」とも深く関係しています。

「肺」の機能が弱ることによって免疫が落ち、風邪をひきやすくなったり、水分代謝がうまくいかずに乾燥肌を引き起こしたりします。

アトピー性皮膚炎なども肺の機能の弱さが原因となっている可能性があります。

また、呼吸器系器官の不調から、気管支炎やぜんそくなどを引き起こしやすくします。

 

「肺」の機能を元気に働かせるには、以下のことに気をつけてお過ごし下さい。

 

①色の白い物や辛味の物を食べる

大根や梨、白ごま、豆腐など色の白い物は、肺を強める力を持っています。

また、しょうが、ネギ、ニラ、みょうがなど辛味のある食材は、肺を強めると同時に身体を温めます。

秋には、お食事のときに白い物や辛味のある物など積極的に召し上がってみて下さい。

 

②乾燥に気をつけて身体を温かくして過ごす

室内にいるときには加湿器などを活用して湿度を保ち、

また、室外にいる時にはマスクをして喉を乾燥から防いで下さい。

夏の名残で薄着で過ごしてしまうことの多い時期ですが、

首まわりや足首などは冷やさないように過ごして下さい。

 

③悲観的にならないようにする

『肺」は「悲しみ」に弱い臓器です。

これからどんどんと日が短くなっていく時期になり、気持ちも落ち込みやすくなります。

そうすると「肺」が弱まり、風邪をひきやすくなるなどの症状が出ます。

悲しみや抑うつ感を感じたら、お散歩をするなど、早期の気分転換がオススメです。

 

④お灸をする

お灸は温めながら血流を良くしたり、鎮静・鎮痛効果があったりと様々な効果がありますが、秋から冬にかけては身体を温めるのに最適です。

冷えをとるのにオススメのツボは、「三陰交」。

場所は、うちくるぶしの頂点から指4本上の骨の際のところ。

寝る前などにお灸をすえて眠るとリラックス効果も倍増です。

 

夏の疲れが出やすい秋の時期は、乾燥から身を守りよく身体を温めてお過ごし下さい。

治療の時には季節折々の過ごし方にもいろいろとアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

 

東洋医学で妊活〜「脾」の働き

妊活~東洋医学の視点から

先日、妊活において「腎(じん)」の働きが非常に重要であることを述べましたが、東洋医学では「腎」と同じくらい妊活にとって大切な機能があります。(腎についてはこちら→)

 

それが「脾(ひ)」という機能。

 

「脾」とは消化・吸収を司り、食べたものを血やエネルギーへと変化させる役割を持っています。

また、血液を身体の中にしっかりととどめておく作用や水分代謝にも関わっています。

 

「脾」の力が弱まってしまうと下記のような症状を、引き起こします。

・胃腸の働きが悪くなる

・疲れやすい、だるい、身体が重い

・むくみやすい

・便がやわらかい、もしくは泥状になる

・不正出血がある

・甘いものばかり食べたくなる

・思い悩むことが多い

・胃下垂

上記の症状が多く当てはまる人は「脾」の力が弱まっている可能性があります。

 

「脾」の力を弱めてしまう原因には、脂っこいものや甘いものの過食、水分のとりすぎで身体に湿気が溜まっている状態、考え込むことが多い、などがあげられます。

また「脾」は湿気に弱いので雨が降り続く時期には弱りやすくなってしまいます。

 

「脾」は身体の血やエネルギーを作りだすところ。

「脾」の力を弱めてしまうことは、妊活に大切な「腎」の力をも弱めてしまうことになります。

妊娠に備えた身体作りをしていく上で、「脾」を強めておくことはとても大事なことなのです。

 

では、「脾」の力をきちんと働かせるためには何をしたら良いのでしょう?

日常生活で以下のことに気をつけてみてください。

・甘いもの、油っこいものを摂りすぎない

・一度にたくさん食べずに回数を増やして、胃腸に負担をかけない

・冷たい飲食物は避け、身体を温める食べ物を摂る

・考えすぎないようにする

・疲れない程度に汗をかく

 

また、当院でお分けしている漢方のナツメも「脾」の力を強めてくれる食材になりますので、ご興味のある方は、お気軽にお声掛け下さい。(ナツメについてはこちら→

 

「脾」の機能をしっかりと巡らせることによって、エネルギーをきちんと作り出し、「腎」の機能をバックアップすることができます。

セラキュアでは妊活をしていく上で「脾」や「腎」の機能をどうしたら強めていけるのか、個々の体質や生活スタイルに合わせて東洋医学的な観点からアドバイスをしております。

 

 

 

 

 

東洋医学で妊活〜一番大切な「腎」の働き〜

妊活~東洋医学の視点から

検査結果は異常なし。でもなかなか妊娠しない…..

クリニックで治療を受けているのに結果が出ない…..

そんなお悩みを抱えている方、たくさんいらっしゃいますね。

原因不明の不妊症は、何をしたら良いのかわからずに、ストレスが溜まるばかり。

 

ですので今回は原因不明の不妊症について、東洋医学の観点から考えてみたいと思います。

 

東洋医学では、「腎(じん)」という機能が生殖能力、生きる力に関わっていると言われています。

腎は、西洋医学でいうところの腎臓とは少し違い、生命力や、発育を促す力、若々しさを保つエネルギーなどを司っている機能です。

この「腎」が弱ることにより妊娠力が落ちたり、老化が早まったりもします。

「腎」が弱った状態を「腎虚(じんきょ)」と呼び、腎を強める必要がある状態をさします。

「腎虚」にはいろいろなパターンがありますが、今回は代表的な2つのパターンをご紹介いたします。

ご自分はどちらかな〜と考えながら読み進めてみてくださいね :-) 

 

まず1つ目は「腎陽虚(じんようきょ)」

腎陽虚には下記のような症状があります。

●手足が冷える

●身体が疲れやすい

●足がむくみやすい

●基礎体温が低い(35度台に入ってしまう)

●腰が冷えて重ダルく痛い

腎陽虚タイプの方は、身体を温めるパワーが弱く、倦怠感などが出やすくなります。基礎体温が36度以下に落ちてしまう方、高温期を約36.5度以上に保てない人は、腎陽虚の可能性があります。

俗にいう「冷え性」の方に多く、妊活中の女性にとって腎陽虚の状態は望ましくありません。

まずは身体を冷す食べ物は避けて、温めてくれるものを食べましょう。

オススメはラム肉や鶏肉、生姜、ニンニクなど。温かいスープや鍋物などにして召し上がって下さい。

また、腎が司る生命エネルギーが足りない状態なので、心労が重なるようなことも禁物です。  

 

2つ目は、「腎陰虚(じんいんきょ)」

腎陰虚には下記のような症状があります。

●月経量が少ない

●手足のほてり

●寝汗が多い

●皮膚や目、ノドの乾燥

●おりものが少ない

腎陰虚タイプの方は身体をクールダウンする力が弱く、潤いが失われおり、ほてりや乾燥がおきやすくなります。

腎陰虚の方は、夜は早めに寝ることと、刺激の強いものを食べ過ぎないことが大事です。

魚貝類や豆類など、身体に潤いを与える物がオススメです。

 

 

いかがですか? 多かれ少なかれ、ほとんどの方がどちらかに当てはまると思います。

 

病院の検査結果に出るような症状は出ていなくても、体質の傾向としての「腎陰虚」「腎陽虚」が妊娠力に影響しています。

 

「腎虚」は、日々の生活習慣と密接に関っています。食事や運動、睡眠、心の状態などから影響を受けやすいので、生活スタイルやストレスをしっかりマネージメントすることが大切です。

 

腎陽虚も腎陰虚も「腎」のエネルギーが強くなることで必ず改善されていき、それにともない妊娠力も高まります。

セラキュアでの不妊治療では、加齢や過労、ストレスで落ちていく腎の機能を復活させるための鍼やお灸をほぼすべての方の治療に加えております。

西洋医学では原因が分からない不妊症にも、東洋医学的な観点からはいろいろな角度から働きかけることが可能です。お身体の状態などご不安なことがありましたらお気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

 

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