体質改善にはまず調味料から 〜番外編 油〜
不妊症克服! 〜調味料〜巷に溢れる食品添加物や、遺伝子組み換え食物。少しなら問題がなくても毎日摂取しているとどうなるでしょうか。誰でも体に必要なもの・不要なものを分別して排出する機能がありますが、それにより無駄なエネルギーを使ってしまったり、妊活に大敵な活性酸素の増加を招くことにもなります。
調味料を考える番外編は「油」です。
さしすせその中には入っていませんが、調理で使う頻度が高いのは油ではないでしょうか。
脳の約60%は脂肪でできていると言われています。またホルモンもコレステロールを材料にして作られているため、油の摂取というのは意外にも妊活にはとても重要なものになります。
どうせ毎日使うならより良い油をとりたいですよね。
油の種類は大まかに飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれています。
飽和脂肪酸はお肉やバター、ココナッツオイルなど、主に常温で固まる油です。吸収が良くエネルギーとなりやすいですが、摂りすぎると肥満や動脈硬化・心疾患など身体に悪影響を及ぼすと言われています。
不飽和脂肪酸は主に植物や魚の油など、常温で液状の油です。体内では合成できないため、積極的に摂りたい油の必須脂肪酸です。コレステロール値を下げると言われています。
これらにはさらに種類があり
・オメガ9 (オレイン酸)→オリーブオイル、菜種油、米油、ひまわり油、ナッツ類など
・オメガ6 (リノール酸)→ごま油、紅花油、グレープシードオイル、コーン油、大豆油、綿実油など
・オメガ3 (αリノレン酸・EPA・DHA)→えごま油、アマニ油、しそ油、くるみ、魚の油など
この中でも、なかなか摂れず不足しがちなのがオメガ3の油と言われています。
抗アレルギー作用や抗炎症作用があるというのが特徴で、免疫ととても関係性のある油です。
また、アメリカの研究ではオメガ3脂肪酸のサプリを摂った男性の精子数が増え、異常数が減ったという研究結果があり、精子の質の向上にも関係することがわかっています。
女性では、子宮内膜の質に関わります。内膜が厚くなりにくかったり、着床しにくいなど、子宮内のフローラの乱れや炎症がある場合などにも積極的に摂りたい脂肪酸です。
しかし、酸化しやすい油のため熱して使う油としては不向きです。調理としてではなく、サラダにかけて食べたりする調味料として取り入れてみてくださいね。
そしてなるべく控えたいのはオメガ6の油。いわゆるサラダ油と言われているものです。
リノール酸が多い油を過剰摂取すると血液を固めたり、血圧の上昇、体に炎症を起こす原因になると言われています。
本来ならオメガ3とオメガ6の油を1:1くらいで摂るのは問題ないとされていますが、外食やお惣菜、加工食品などで使用している頻度が高いため、現代では1:10くらいの割合でオメガ6の油が過剰摂取になってしまっていると考えられています。
ご家庭ではなるべくリノール酸を多く含むサラダ油の使用を避けると良いでしょう。
リノール酸を多く含むサラダ油は、高温で加熱をするとヒドロキシノネナールという有害な毒素が発生し、身体の細胞にダメージをあたえると考えられています。
妊活中にはできるだけ避けておきたい油です。
では調理で使う油はどれを選べばいいのでしょうか。
それは米油、ごま油、オリーブオイルが良いと言われています。
ごま油はオメガ6の油ですが、例外的に健康油に分類されます。
ごま油は熱しても酸化しにくく、抗酸化作用があります。茶色のごま油よりも白いごま油を選んで調理に使ってみてください。
オリーブ油は80%のオレイン酸を含み、10%がリノール酸のため理想的な油です。活性酸素の発生を抑え、細胞をサビから守ってくれます。
米油はオリーブ油に比べ、リノール酸が30%ほど含まれていますが健康的な油に分類されます。抗酸化作用があり、また原料になる米糠はほとんどが国産です。
日本では栽培されていませんが、遺伝子組み換え作物にはコーン、菜種、綿、大豆があり、これらを原料としてコーン油、菜種油、綿実油、大豆油が作られています。国内製造と記載があっても原産国が海外のものであれば遺伝子組み換え作物を原料としている可能性があるため注意が必要です。
こういった面でも、米は国産のものがほとんどなので、米油は安心して使いやすい油といえます。
いかがでしたか?
毎日使う調味料、ぜひキッチンにあるものを見直してみてくださいね。
体質改善にはまず調味料から 〜その3 醤油・味噌〜
不妊症克服! 〜調味料〜巷に溢れる食品添加物や、遺伝子組み換え食物。少しなら問題がなくても毎日摂取しているとどうなるでしょうか。誰でも体に必要なもの・不要なものを分別して排出する機能がありますが、それにより無駄なエネルギーを使ってしまったり、妊活に大敵な活性酸素の増加を招くことにもなります。
調味料を考える第三弾は醤油と味噌です。
醤油
原材料は大豆、小麦、塩。
原材料に記載されている大豆を確認すると、主に「脱脂加工大豆」と「丸大豆」があります。脱脂加工大豆は、有機溶剤で油を抽出したあとの大豆の搾りかすを使っているのですが、この有機溶剤に発ガン性があるのではないかと懸念されています。直接身体に取り入れるものではなくても、なるべく避けるに越したことはないと言われています。
また、この加工している大豆には遺伝子組み換え大豆を使用している可能性があります。日本では遺伝子組み換え大豆の栽培はしていないので、選べるなら国産丸大豆使用と書かれたものや、「(遺伝子組み換えでない)」と記載されているものを選んでみてくださいね。
脱脂加工大豆を使った醤油の場合、酸味料や調味料、着色料等の添加物を使って味を整えているもの多く見られます。お値段の高い醤油と安い醤油を見比べてみると原材料の違いがよくわかります。
味噌
主に米や麦・大豆・塩で作られた味噌。種類としては米味噌・麦味噌・豆味噌があります。大幅な違いはないですが、熟成期間の長くかかる豆味噌が一番栄養価が高いとされています。白味噌と赤味噌の違いでは、より発酵された味噌は色が濃くなるため、白味噌よりも赤味噌の方が栄養価が高くなるようです。
醤油と同じく、大豆を使用していますが、味噌で脱脂加工大豆を使っているものは見られません。しかし外国産の大豆を使用しているものも多かったり、「(国内製造)」と記載のあるものもあります。国内製造は外国産の原材料を使って国内で製造したものもあり、国産の原材料を使用しているとは限りません。はっきりと産地の記載がされているものが安心なのではないでしょうか。
ダシ入りの味噌も手軽で便利ですが、アミノ酸等の合成化学調味料が入っているものがほとんどです。好みや用途に合わせて使ってみてくださいね。
大豆は遺伝子組み換え作物のひとつであり、輸入している大豆の9割が遺伝子組み換えです。国内自給率は10%以下と言われていますので、大豆を原料とした食品や加工品のほとんどが遺伝子組み換え大豆を使っている可能性がある状況だと思います。
味噌や醤油以外にも、豆乳やソイプロテイン、今増えてきている大豆ミートなども輸入大豆を使用しているものがほとんどです。国産大豆を使用しているものは少ないですが、よく探すと売り場に置いてありますので、探してみてくださいね。
次回は調理でもよく使う油について考えてみたいと思います。
体質改善にはまず調味料から 〜その2 塩・酢〜
不妊症克服! 〜調味料〜巷に溢れる食品添加物や、遺伝子組み換え食物。少しなら問題がなくても毎日摂取しているとどうなるでしょうか。誰でも体に必要なもの・不要なものを分別して排出する機能がありますが、それにより無駄なエネルギーを使ってしまったり、妊活に大敵な活性酸素の増加を招くことにもなります。
調味料を考える第二弾は塩と酢です。
【塩】
細胞の浸透圧を調整するため、塩に含まれるナトリウムは身体にとって欠かせない成分です。浸透圧のバランスが良い状態だと、細胞への栄養素の吸収も良くなるため、実は塩は身体に良いとされています。
しかし問題とされてしまうのは精製された塩。摂りすぎることで高血圧や不整脈、腎臓への負担になる場合があります。精製された塩というのは99%がナトリウムで、元々含まれているカリウムやマグネシウムなどのミネラル分が取り除かれてしまっています。
天然の塩は80〜90%くらいがナトリウムで、残りはミネラルです。天然の塩を選ぶだけでも減塩にもなり、カリウムも含まれているため自然と浸透圧のバランスも整えることができます。
選び方としては「どのような工程」で作られているかです。
1970年頃までは塩田で自然な方法で塩が作られていましたが、塩田が廃止された後は天候に左右されずに通年作ることができる工場での生産が主流になっています。「イオン交換膜法」「立釜」と書かれている塩は、電気分解によって海水からナトリウムを分け、密閉した状態で加熱するため塩分濃度が高くなる製法です。
一方、天然の塩の工程は、太陽と風の力で海水を蒸発させる「天日」です。また密閉されていない釜で煮詰めて水分を飛ばす「平釜」の工程もミネラル分が残りやすい作り方です。昔ながらの製法は手間ひまがかかりますが、塩辛さだけでなくまろやかな甘味も感じられます。
すべての生き物は海で誕生し、その名残は今でも体内に受け継がれ、体液や血液、赤ちゃんのいる羊水も海水のミネラルバランスとほぼ同じ構成と言われています。
パッケージを確認し、産地や作り手のこだわりなど様々な種類の塩からお好みのものを探してみるのも良いですね。
【酢】
穀類や果物を酢酸菌で発酵させたもので、原料によって米酢や玄米酢、りんご酢などがあります。人間が作った調味料の中で最古のものと言われ、今でもワインビネガーやバルサミコ酢、黒酢など世界各地でその土地柄にあった酢が作られています。
東洋医学では血をきれいにして血行を高める作用があり、血行不良による冷えやのぼせ、肌荒れの改善に効果があります。また、酸味が唾液の分泌を促進して消化吸収を高めるので、消化不良や食欲不振、下痢、便秘の解消や疲労回復にもおすすめです。
発酵調味料であるお酢は、じっくり時間をかけて発酵、熟成されることでクエン酸やアミノ酸が豊富に含まれます。しかし発酵させるのに手間がかかるため、アルコールが添加されたり旨味を足すのにアミノ酸などの添加物が入った合成酢や加工酢が多く販売されています。これらのお酢になると発酵される過程で作られる自然な有機酸やアミノ酸等の含まれる量が少なくなってしまいます。
お酢の種類にもよりますが、基本的には原材料は「米」のみ。アルコールやブドウ糖・アミノ酸などの添加物が入っていない醸造酢を選びましょう。「純◯◯酢」など「純」と付くものはほとんどシンプルな原材料で作られたものです。参考にしてみてくださいね。
いかがでしたか?
どの調味料にも当てはまることですが、手間ひまかかっているものほど含まれる栄養素が高くなると感じました。選ぶ際に参考にしてみてくださいね。
次回は、さしすせその「醤油」と「味噌」についてです。お楽しみに。
体質改善にはまず調味料から 〜その1 砂糖〜
不妊症克服! 〜調味料〜妊活中、体質改善には何をしたらいいの?というご質問があります。
生命活動を維持するために体の中では様々なホルモンが働いています。そしてホルモンは血液によって運ばれるため、特に妊活中の女性は血の巡りをよくすること、ホルモンバランスを整えることがとても重要です。
東洋医学でも、受精卵に栄養を与えるのは「血」であり、受精卵を守るのは「気」の働きであると考えられています。それぞれがちゃんと働けるよう巡りのいい状態になるようお身体を整えていきます。
ではホルモンの材料は何でしょう。主にコレステロールですがこれは肝臓で合成されたり食事から取り入れます。「血」や「気」も食物を取り入れ、胃腸で消化吸収して作られます。
しかし胃腸が弱く胃もたれしやすい・下痢しやすい、あるいは便秘体質でスッキリ出ない・いつも便がたまっているなどのタイプの方は、どちらも消化吸収がうまくできにくい状態で、気血の不足・材料不足を招いてしまいます。
胃腸を整えるにも食事から、身体に必要な材料を作るのも食事からです。
そこで今回は、お料理に使う調味料について考えてみましょう。毎日、何気なく使っている調味料を見直して良質な物に変えてみるだけで体質改善にもつながります。
基本的な調味料、「さしすせそ」の「砂糖・塩・酢・醤油・味噌」について、3回に分けてお伝えします。選ぶ時の参考にしてみてくださいね。
【砂糖】
東洋医学では、精製された白砂糖は身体を冷やすと言われています。原料のサトウキビは主に温かい地域の沖縄で採れるため、身体を冷やす性質があると考えられているからです。砂糖は精製されたものであればあるほどミネラル分が取り除かれており、ほぼ炭水化物のためとり過ぎると血糖値の上昇を招きます。茶色の三温糖もありますが、煮詰めた時にできるカラメルの色であって成分としてはほぼ白砂糖と変わりません。少しコクがあるのが特徴です。
【甜菜糖】
甜菜(ビート)の根から作られ、整腸作用のあるビフィズス菌を増やすオリゴ糖を多く含みます。ビートの原産地は主に北海道。寒い地方で採れるものは身体を温める性質があります。白砂糖に比べてまろやかな甘さが特徴で、血糖値の上昇も緩やかです。
【はちみつ】
みつばちが花の蜜を集めて巣に貯蔵したもので、ビタミン、ミネラル、酵素を多く含みます。肺や皮膚、腸に潤いを与える働きがあり、空咳や便秘、乾燥肌の改善、胃痛の解消におすすめです。採取した花の種類や時期によって色や風味、栄養価が異なるため、食べ比べをしても楽しいですね。
【メープルシロップ】
サトウカエデの樹液を煮詰めて作られるメープルシロップは、鉄やカルシウム、カリウム、亜鉛などのミネラルを多く含んでいます。サラッとした甘味で、砂糖やはちみつに比べてエネルギー・糖質量が低いのが特徴です。
【天然甘味料】
ステビア(南米原産の菊科の植物の葉から抽出)、エリスリトール(果実や発酵食品に含まれる糖質で、ブドウ糖を原料に酵母を用いた発酵で作られる)、羅漢果エキス(中国原産の強い甘みを持つうり科の植物)、羅漢果エキスとエリスリトールを合わせた甘味料などがあります。
血糖値を上昇させないことから糖質制限が必要な方におすすめですが、大量摂取はお腹がゆるくなるなどの作用もあるため、注意が必要です。
【人工甘味料】
人工甘味料単品をご家庭で調味料として使うことはほぼないかとは思います。しかし、上記の天然甘味料の商品と共にカロリー0のお砂糖やシロップがスーパーで陳列されています。原材料を見ると、天然甘味料の他に「スクラロース」「アスパルテーム」「アセスルファムk」などの人工甘味料が含まれているものもあります。カロリーカットにはなりますが、血糖値の上昇や腸内細菌叢への影響も懸念されているため注意が必要です。その他、飲み物やアイス、お菓子などにも人工甘味料が使われているものがありますので、選ぶ際には表記を確認してみてくださいね。
いかがでしたか?
お砂糖やシロップ、色々な種類がありますね。用途に合わせて使い分けてみてくださいね。
次回は、さしすせその「塩」と「酢」についてです。お楽しみに。