シリーズ「妊娠できるからだ作り 第5回」 〜カラダのベースを整える〜
妊活~東洋医学の視点から街路樹の葉も日を追って色づいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか
さて、「妊娠できるカラダ作りシリーズ!」五回目の今回は、、、、
「カラダのベースを整える」です。
例えば排卵障害がある場合に、西洋医学では排卵誘発剤などを使用して対症療法的な治療をします。一方東洋医学ではそもそもの体質に問題があると考えるため、まずはカラダ全体を改善していく根本的な治療を行います。
当院では月経周期に合わせて治療法を変えていく「周期療法」(周期療法についてはコチラ
)を行なっていますが、同時に個々の体質が改善できるようカラダのベース作りに力をいれています。周期療法と同時にできる場合もありますが、カラダの状態によっては最初の数周期はベースを整える治療に専念する場合もあります。
いくら素晴らしい種があったとしても、健やかな土壌がなければ栄養満点の野菜の収穫はできません。それは不妊治療でも同じです。いくら薬を投与しても、もともとの体質がある程度改善されていなければ、持続的にいい結果を出してくれません。
「何をやってもうまくいかない…」そんな袋小路にはまってしまった患者様こそ、焦らずに、急がば回れ、まずは体質改善—カラダのベースを整えることが妊娠、出産への近道であることが多いのです。
先日も、こんな患者様が。。。
ご年齢は38歳。結婚後1年以上お子様に恵まれなかった為、不妊治療を開始。体外受精に踏み切り何度か挑戦したものの、結果は全て陰性。気持ちを切り替え、お身体作りの為にと鍼灸治療を開始されました。1週間に1回治療をうけること3ヶ月・・・。そろそろ採卵を再開しようとお話ししていたところ、「自然妊娠」のご報告がありました。何度人工授精や体外受精をしても陽性反応がでなかった方が、鍼灸治療を始めて体質が改善されていく中で、結果自然に妊娠されるということはよくあることなんです。
東洋医学では、「証」という体質の分類法を使い、その「証」に基づいて治療法を組み立てています。今回は皆さんにご自分の体質をチェックして頂き、次回以降体質別の説明や改善方法等をお伝えしていきたいと思います
あなたの東洋医学的な体質は?
東洋医学では、心身の状態を脈や舌などで複合的に診断します。東洋医学では、人間の生理機能を「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分類しています。この5つの臓器(五臓)はお互いに補強したり抑制したりし合っています。この相互バランスを保つことが、健康を維持する為には不可欠です。鍼灸治療では他に「陰陽」「気血津液」などの状態もあわせて見ていきますが、ここではまず「五臓」の各項目をセルフチェックしてみましょう! 一番項目が多いものがあなたのタイプです。いくつかの体質を複合的に持っていらっしゃる方が多いので、ひとつに絞られなくても心配はいりません。
肝タイプ
□めまいが起こりやすい。
□お腹の両脇が張ったり、苦しいことが多い。
□口の中が苦いことが多い。
□イライラしやすい。
□目が赤くなったり、乾いたり、疲れやすい。
□基礎体温で低温期がジグザグである。
□月経血に塊が多い。
心タイプ
□夢を見やすい。
□眠りが浅い。
□胸苦しいことが多い。
□精神的に動揺したり、興奮しやすい。
□舌が荒れやすい。
□独り言やうわごとを言うことが多い。
□物忘れしやすい。
脾タイプ
□食後にお腹が張りやすい。
□下痢または泥j状の便になることが多い。
□くよくよと考え事をして憂鬱な気分になることが多い。
□むくみやすい。
□ゲップや胸焼けをしやすい。
□皮膚が青白く、冷たいことが多い。
□月経時の出血がダラダラと続きなかなか終わらない。
肺タイプ
□息切れしやすい。
□痰がからみやすい。
□鼻炎や喘息の経験がある。
□わけもなく悲しい気分になることが多い。
□皮膚が乾燥している。
□兎のようなコロコロとした便が出る。
□寝汗をかきやすい。
腎タイプ
□耳鳴りがすることがある。
□足腰が重くだるいことが多い。
□慢性的に腰痛がある。
□疲れやすい。
□白髪が年齢のわりに多い。
□ちょっとしたことにも驚きやすい。
□基礎体温が35℃台になることがある。
いかがでしたか?次回以降、それぞれの体質別に詳しくご案内していきますのでお楽しみに
シリーズ「妊娠できるからだ作り 第4回」 〜骨盤のバランスを整える〜
妊活~東洋医学の視点からすっかり秋も深まってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか
さて、シリーズ「妊娠できるカラダづくり」。今回のテーマは、、、
「骨盤のバランスを整える!」です。
骨盤は身体の中心で上半身を支え、子宮や卵巣などの生殖器を守る役割を果たしています。「骨盤=身体の土台」。家の土台がゆがむと、家はもちろん中にある家具などの位置もずれてしまいます。同様に、骨盤がゆがむと中に入っている子宮や卵巣の位置も正しい位置に納まりません。すると、骨盤内の血液循環や神経伝達が阻害されたり、子宮や卵巣が他の臓器に圧迫されたりするため、不妊症の原因になることがあるのです。つまり、「妊娠できるカラダづくり」にとって、骨盤のバランスを整えることはとっても大切です。
まずは、自分の骨盤のゆがみ度をチェック!
下記の項目に2つ以上あてはまる方は、骨盤がゆがんでいる可能性があり、生活スタイルの改善や治療が必要かもしれません。
・O脚
・何もないところでよくつまづく
・スカートが気づくと回っている
・腰痛/肩こりがひどい
・生理痛がつらい
・よく足を組む
・下腹部がぽっこりでている。
・左右の靴のへりが違う
・あおむけ寝て、左右の足先の開き方が違う
・腰のくびれの高さが違う
では、骨盤のバランスを整える為に何をすればよいのでしょうか
ポイントは「大腰筋」です
大腰筋とは、背骨の前から太ももの付け根まで付いているインナーマッスルです。上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉として、骨盤の動きと安定をサポートしています。大腰筋はデスクワーク(歩行不足)や悪い姿勢、加齢とともにどんどん弱ってしまいます。
大腰筋が弱ってしまうと、体重を支えられなくなり骨盤が前後に倒れたり、左右に歪みがでてきてしまいます。骨盤のバランスを整えるためには、大腰筋を意識して使えるようになることが大切です。
大腰筋は「抗重力筋」で、重力がかかっている状態で姿勢を支える筋肉です。水泳、自転車など、股関節や骨盤に重力がかからない状態ではあまり強くなりません。またほとんど意識することなく働いてくれる筋肉ため、大腰筋を効率良く鍛えて使えるようになるには、「パワーウオーク」がオススメです。
パワーウオークのポイントは・・・
・荷物は持たずに
・大股で
・腰はそらさずに
・正面を見据えて
・1日40分位
鍼灸治療院セラキュア でも、大腰筋の働きを高めるためのエクササイズやストレッチをお教えしています。また、骨盤バランスをご自分で維持できるよう、立ち姿勢や座り姿勢のチェックも可能です。
ある一定の行動が習慣化するまでの日数は、21日間と言われています。21日間同じことを少し無理してでも繰り返すと、その後は逆にやらないと気がすまない感覚に変わってきます。1日40分と聞くと、続けられるか不安に思う方もいるとは思いますが、まずは3週間、一回に10~15分ずつでも骨盤を意識してパワーウオークをしてみましょう
内臓を休ませよう!「ファスティングの5大効果」
不妊症克服!〜日常生活〜秋になりましたが今年は気温がとても不安定ですね。夏の胃腸の疲れが今頃に出てくる方も多くいらっしゃいます。
そんな季節には、意識して内臓を休めてあげることが大切です。
今回は健康的なダイエットの1つでもある、「ファスティング= 断食」についてお話をしてみたいと思います。
一体どういうものか、みなさんご存知でしょうか…?
ただのダイエット方法の1つだと思われがちですが、実はもっと深いものなんですよ。
日本ではまだまだ認知度の低いファスティングですが、ジュース断食・スープ断食・フルーツ断食など実はダイエット以外にもデトックスやリラックスなど様々な効果が検証されています。ですので “ 体重コントロールのためだけのもの ” と思っているのは、非常にもったいないことなんです
「断食」と聞くと、飲まず食わずあるいは水だけを飲む完全断食をイメージされるかもしれませんが、今回ご紹介するのはもっと気楽にチャレンジできるものです。厳しい修行僧のような “ 絶食 ” を想像される方も多いと思いますが、そんなにストイックなものではないのでご安心ください。
具体的な方法の前にまず、断食によって体がどう変化するのかをご説明しますね。
ファスティング(断食)の5大効果
*少し専門的になりますのでお時間のない方はスキップしてくださいね。
1デトックス(解毒)
ファスティングの大きな効果として、まずデトックスが挙げられます。
デトックスとは毒素を分解したり排出したりすることです。ファスティング時には多くのデトックス効果が期待でき、日常生活の中で特に排出が難しい毒素(主に、宿便・有害金属・食品添加物の3つ)も排出することができるのです。
→ 例えば、生理前や生理中にしっかりデトックスすることで、お血が減り、着床しやすい内膜を作ります。
2 ダイエット(脂肪燃焼回路の確立)
体脂肪にある脂肪細胞は、運動したからといってすぐには燃焼されません。しかしファスティングによって体内の糖質を使い切れば、2~3日目以降はエネルギーのほとんどが脂肪から作られるようになります。
→ 痩せ過ぎもいけませんが、適切に脂肪を燃焼させて、妊娠に必要な栄養素(サプリメントや葉酸など)をしっかり吸収できるようになります。
3リセット(代謝酵素の活性化と内臓の休養)
ファスティングの効果で外せないのが、数多くある酵素の中でも代謝酵素が活性化することです。 体内の酵素は大きく“ 代謝酵素 ”と “ 消化酵素 ” の2種類に分けられており、ファスティング中は消化酵素の分泌量が減ることで、代謝酵素が活性化します。代謝酵素が活性化すれば、体のすみずみまで代謝酵素がお手入れをしてくれます。 また、胃腸・肝臓・腸などの内臓を休めることができ、内蔵が本来もつ機能を取り戻しやすくなります。
→ どんなにバランスの良い有機野菜などの食事を摂っても、内臓が疲れていては妊娠に必要な働きを養うことはできません。
4リラックス(脳の活性化)
脳 のエネルギーがブドウ糖であるというのはよく知られた話ですが、ファスティング開始から2~3日で体内に蓄えられていたブドウ糖は使い切られてしまいま す。そこで代役を務めるのがケトン体で、脳でエネルギー源として使われます。このケトン体で脳が満たされると、α波が多く発生し、リラックスして集中力が 上がります。
→ 妊活に大敵な様々なストレス。ストレス緩和しながら穏やかに楽しく過ごせる時間を持てることで、ホルモンバランスが整います。
5 リバース(身心の再生と生活習慣の改善)
ファスティングによって生まれ変わった体は、本来の機能や感覚を取り戻し、今までの悪習慣から解放してくれます。貴重な時間とお金を割いて、様々なものを我慢して得た健康と美容は、きっと無駄にしたいとは思わないでしょう。
→ 体質改善できたお体には、質の良い卵や育む為の子宮環境が整います。
今回ここでオススメしますのは、いろいろある中でも日常生活を送りながら取り組めるプチ断食方法です。
具体的な方法を説明していきますと、プチ断食は3日でワンセットとして考えるようにします。
またこの3日間は、アルコール禁止です!
お酒好きな方にはつらいところですが、ここはグッと我慢…。
肝臓を休めるという意味でも、ぜひ3日だけ我慢してみてくださいね。
仕事が土日休み、という方は、
金・土・日の3日間を使うと、スムーズにプチ断食ができると思います。
●1日目
朝:いつも通り
昼:いつもの7割
夜:いつもの半分(寝る4時間ほど前には済ませる)
水分は多めにとるようにします。
●2日目(プチ断食当日)
3食抜きます。
水のみ飲んでOKです。意図的にいつもより多めに飲むようにしましょう。
激しい運動などはさけて、ゆったりと過ごすようにします。
●3日目 (回復食)
朝:おかゆのみ(よくかんで、ゆっくりと食べる)
昼:いつもの半分
夜:いつもの半分
この3日目がプチ断食の成功・失敗を左右するといっても過言ではありません。
胃腸がお休みをしていた後に突然普段のお食事をしてしまっては、体調を崩して不調になってしまう恐れがあります。せっかく頑張ったファスティングが復食期の過ごし方(回復食)によって、「失敗」に終わってしまいます。
ですので、ここで「成功」の為に回復食で欠かせないことをお伝えしていきたいと思いますので、もう少しおつきあいくださいませ。
①回復食の食事は、お粥と味噌汁
ファスティングから明けたばかりの復食期1日目の朝は重湯がよいでしょう。そして午後からは、お粥や具なしのお味噌汁をゆっくり頂きましょう。
②断食期間と復食期は同時間
ファスティングを3日したのなら復食期期も3日かけるつもり行ってください。3日の断食期間なら回復食の期間も3日必要。復食期2日目からは、野菜や豆類、きのこ類なども加えたおかずとお粥を頂くとよいでしょう。フレッシュジュースやスムージーを回復食として摂りいれるのもよいでしょう。
③断食明けは、とにかく慎重に
バランスのいい和食を心掛け、出来る限りゆっくり少量を良く噛んで頂くことを心掛けましょう。一旦食べ物を口にすると食欲が湧き出てきますので我慢と注意が必要ですね。
④3日間の回復食が終わったらようやく普段通りの食事を
普段通りとはいえ、今まで休めていた消化器官を突然酷使させるような食事の仕方は厳禁です。一気に食べ過ぎてしまうと、腸閉塞など、健康トラブルを起こしてしまう可能性もあります。
⑤炭水化物のものばかりを摂らない
ファスティングから通常食に戻す時、おかずが少なく、麺類・丼もの・パンなど炭水化物がメインの食事にならないようにしましょう。せっかくしたファスティングが過食に変化してしまうきっかけとなってしまいます。食欲のリバウンドに陥らないためには、炭水化物の摂取に偏らないことが大切です。
⑥砂糖・塩をあまり使わずに、薄味で
しばらく食事を摂っていない味覚はとても敏感になっています。濃い味付けにしなくても十分なおいしさを感じる事ができるはずです。また、濃い味付けは食欲を増進させてしまうので注意が必要です。
⑦普段よりも良く噛んむ
また「腹六部」から始めて、「腹八部」を守っていけるように習慣付けて下さい。飽食に慣れたからだがファスティングによりせっかくリセットさせたのですから、これを機会に少量の食事で満足できるようになりましょう。
⑧回復食で必要なのことは「体に聞く」
ファスティング中は、胃腸が「休息モード」に入っています。つまり「消化力」が落ちています。別の言い方をすると、毎日、毎日、消化に追われて疲れていた胃腸を、ファスティングで休ませてあげているので、急に消化できない状態になっているのです。眠っていた消化力をそっと起こすように回復食をいれるつもりで行いましょう。
* 時には食べないことは自然なこと *
ファスティング(断食)は、“ 不自然なこと” として、嫌悪感を抱く方もいらっしゃるでしょう。しかし、自然界の動物はごく当たり前にファスティングを行なっているんです。幼虫は成虫になる前に、動物は出産の前に、体内を活性化させるために行なっています。またケガをした動物は、傷を少しでも早く回復させるために行なうと言われています。
ロシアでは国の保健が適用され、10,000人以上のデータが保有されています。
さらにドイツでは、国民の10~15%が経験者で「断食で治らない病気は、他のどんな治療でも治らない」ということわざがあるくらいだそうです。
また当院が行う鍼灸にも腸の状態を整える効果があります。まずは、腸を元気にすること。
その結果、お体の不必要な老廃物などのデトックスや体重コントロールに効果が表れ、お血になりにくい体を維持できるようになります。
ただご注意いただきたいのは、体質に合った方法やその反応をしっかりとみながら取り組むこと・くれぐれも無理をしないことがとても大切ですので、分からない時は医師にご相談いただくか、私達鍼灸師にお気軽に聞いて下さいね。
内側から健康に素敵なライフスタイルを送れるよう、しっかり内蔵を休ませて規則正しい生活を過ごしていきましょう!!
食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。
シリーズ「妊娠できるからだ作り 第3回」 〜冷えないカラダ作り〜
妊活~東洋医学の視点からひと雨ごとに秋の気配が深まる今日この頃
皆様いかがおすごしでしょうか。
さて、シリーズ「妊娠できるカラダづくり」。今回のテーマは、、、
「冷えないカラダをつくる!」です
朝夕はめっきり涼しく過ごしやすくなってきたものの、日中はまだまだ暑さが残る日もありますね。そんな中、ついつい冷たい飲み物や食べ物を取りすぎたりしていませんか。または朝夕の冷え込みで体調を崩している方もいるかもしれません。そんな場合は要注意。
■ 手足が冷たい
■ お腹に手を当てると、手が温かく感じる
■ 冷たい飲み物をよく飲む
■ 運動は週1回以下
■ よく下痢や便秘になる
■ 汗をかきにくい
■ 月経血に塊状のものがでる
上記の項目に一つでもあてはまる方は、身体が冷えている可能性が大!
体質改善が必要です
本来、人間は恒温動物(こうおんどうぶつ)であり、外気温が変化してもほぼ一定に体温を保つ能力を持っています。しかし、生活習慣の乱れや冷房のあたりすぎ、冷たいものの食べ過ぎ運動不足による筋力低下などの理由により、その機能がうまく働かず、身体が冷えてしまっている方が最近増えています。
冷えている状態=血行不良です。血液は細胞や臓器が活動する為に必要なエネルギーやホルモンを運んでいるため、血行不良の状態が続けば臓器の機能も低下。卵巣や子宮もしっかり働けません。
例えば女性に多い足の冷え。心臓から足へと栄養を運ぶ血液は足先でUターンして心臓に戻ってくるのですが、足先が冷えていると血液も冷やされてしまいます。心臓に戻る途中にある卵巣や子宮といった骨盤内臓器も、その冷たい血液によって熱を奪われてしまいます。 つまり足が冷え冷えだと、子宮や卵巣も冷え冷え。子宮や卵巣の機能はどんどん低下します。
理想的な身体の状態は「頭寒足熱」。言葉の通り、頭は涼しく、足が温かい状態が理想です。そこで、当院でオススメしているのは「足湯」です。
お風呂で湯船につかっていれば大丈夫? いえいえ、お風呂は温められる体表面積が大きいので、身体の表面はすぐに温まりますが、そこで大抵の人は熱くてお風呂から出てしまうので、身体の芯までは温まりません。例えていうなら、ステーキを外側カリっと焼いても中がレア。そんな状態です。身体の芯までしっかり温める為には、じっくりゆっくり温める足湯が最適なのです。
さらに、冷え症をタイプ別でみてみましょう。
東洋医学的には、大きく2つに分類できます。
①身体を温める「熱」のエネルギーが不足しているタイプの冷え症さん
冷えを自覚している寒がりタイプ。女性はもともと熱を生み出す力が弱く、冷えを感じやすいので、女性に多くみられるタイプです。基礎筋力をつけたり有酸素運動をしたりと、冷えない身体づくりが大切です。
●特徴:寒がり。下痢しやすい。むくみやすい。あたたかい飲み物が好き
● 体質改善アドバイス:冷たい風にあたらない。冷たい飲み物や冷たい食べ物は控え、身体を温める有酸素運動を行なう。
②身体をうるおす「水」のエネルギーが不足しているタイプの冷え症さん
隠れ冷え性タイプ。身体をクールダウンさせる力が弱っているので、のぼせたり、汗をかいたりと上半身は熱を感じますが、実は下半身と身体の芯は冷えています。本人は暑いので冷やしすぎてしまう傾向がありますが、骨盤内は冷えている場合が多いため注意が必要です。
●特徴:唾液が少ない。口が渇きやすい。顔がほてる。寝汗をかく。暑がり。どちらかというと短気。冷たいものを好む。吹き出物できやすい。
●体質改善アドバイス:怒らない。睡眠をしっかりとる。冷たいものや辛いもの食べ過ぎない。温める場所は、下半身。上半身は温めないこと。
身体の中の「熱」と「水」のバランスを整えてあげることが、冷えを改善するには大切です。ご自分の「冷えタイプ」がどちらかわからない、どのような対策や治療をしたら良いのかなど、鍼灸師にお気軽にご質問下さいませ!
冷えが改善されると、基礎体温が安定したり、生理の血の状態が変わったり、妊娠力アップの良いサインが見られるようになります。冷えは体質だからとあきらめるのではなく、しっかり改善していきましょう!
妊娠の邪魔をする?!ベビ待ちの天敵「活性酸素」
不妊症克服!〜日常生活〜・タイミング法や人工授精をしてもなかなか妊娠しない
・体外受精・顕微授精しても受精しない
・受精はしたけれどもグレードが低い
このような悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか
妊娠するために重要な精子と卵子。医療技術の発達で、妊娠するまでの距離がより短くなりましたが、それでもなかなか妊娠しないケースも多くあります。
そこには精子や卵子の「質=クオリティ」が大きく関係しているのです。
加齢によって精子や卵子の質が低下することはよく言われていますが、年齢が若くても質が悪い場合もありますし、年齢が高くても質が良い場合もあるため、それが全てではありません。
精子や卵子の質を悪くする原因の一つに「活性酸素」が考えられています
活性酸素とは酸素が変化してできるもので、すべての呼吸をする生物の体内に発生します。
食べた物が消化吸収され、栄養が体内の細胞に行き渡り、エネルギーとして変換される時に発生する化合物が「活性酸素」です。
この活性酸素自体は悪いものではありません。体内に細菌などの有害物質が入ってくると、解毒作用や免疫システムが働き、酸化力の強い活性酸素を作り出し、武器となって戦ってくれるのです。
しかし、この活性酸素が増えすぎた時が大問題なのです
活性酸素は酸化作用によって正常な細胞や組織を攻撃し、老化を促進させるだけでなく、ガン細胞を発生させてしまうのです。
みなさんの周囲を見渡してみてください。年齢よりも若く見える方・老けて見える方はいませんか?
遺伝ももちろん関係していますが、その他にもその方の食生活や生活スタイルによる「酸化」作用が大きく関わっていると考えられています。
例えば、りんごを切ってそのままにしておくと、切り口から茶色く変色してきますよねこれは酸素が他の物質と結びついて酸化することで起こります。
鉄も時間が経つと、徐々にサビてきます。これも酸化によって起こります。
つまり身体の中に活性酸素が増え過ぎるということは、強い酸化作用によって「身体をサビさせる=老化を早める」ということなのです。
活性酸素が身体に増えすぎてしまうと、生殖細胞の老化が早まり、卵子や精子の質を低下させるだけでなく、子宮内膜の状態も悪くなり、着床障害や流産の原因となることもあります。
活性酸素が必要以上に増えてしまう原因である生活習慣を見直してみることが大切です。
■食生活
外食やコンビニ、ファストフードなどに含まれている食品添加物を多く摂取すると、肝臓が解毒しようと働く際に、活性酸素が発生します。アルコールの摂り過ぎも同様です。
■タバコ
百害あって一利なし。タバコの有害物質が体内に入ると、解毒作用や免疫が働き、活性酸素が大量に発生してしまいます。
■激しい運動
呼吸が激しくなり、体内の酸素量が増える分、活性酸素の発生も多くなります。ウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。
■ストレス
免疫学的にも、ストレスを感じて自律神経バランスが崩れると、活性酸素が増えることが分かっています。
このように特定の生活習慣で活性酸素が増えるということは、裏を返せば「生活習慣を変えれば活性酸素は減らせる!」ということです。
さらに積極的に活性酸素を減らして、細胞を若く保つためには、「抗酸化」がカギとなります。
私たちの身体には、もともと活性酸素と結びついて無害なものにする酵素「スカベンジャー(抗酸化物質)」が作られています。
しかし生活習慣の乱れによって活性酸素が増えすぎると、スカベンジャーの作用が追いつきません。
活性酸素を作らない生活習慣をすることも重要ですが、さらにスカベンジャーの働きを助ける抗酸化作用のある食品を取り入れて、活性酸素から身体を守りましょう!
代表的なものはビタミンCが有名です。強い抗酸化作用があり、日本の生活に密着している「緑茶」にも含まれています。緑茶に含まれるビタミンCは熱に強く、壊れないまま身体へ吸収されていきます。
また、緑茶に含まれているカテキンには、スカベンジャーを助ける作用もあり、緑茶を毎日飲んでいる女性の妊娠率が高いことは以前のブログでもご紹介したことがありましたね。
その他にお茶では、最近話題になっている「ルイボスティー」 緑茶のなんと50倍の抗酸化効果があるんです。
アルコールでも、赤ワインに含まれるポリフェノールには抗酸化作用がありますので、1日グラス一杯程度でしたらオススメです。当院でも以前、45歳と47歳で自然妊娠をした患者様は、毎日グラス一杯の赤ワインを飲まれていました。ただし妊娠の可能性があるときには注意してくださいね。
また、スカベンジャーは酵素でできているので、タンパク質が不足すると生成できません。
食事も見直して、肉、魚、卵、大豆、ゴマなどの良質なタンパク質を摂るように心がけましょう。
この機会に、できるところから少しずつ普段の生活習慣・食事を見直してみませんか?
セラキュアでは活性酸素に負けない身体づくりをお手伝いしています。鍼灸の不妊治療の際に、食生活/食養生のアドバイスも行なっております。お気軽にご相談ください
シリーズ「妊娠できるからだ作り 第2回」 〜基礎体温について〜
妊活~東洋医学の視点から「妊娠できるからだづくり」シリーズ第2回目
今回のテーマは、、、「基礎体温」です
前回、質のいい卵子を作る為には180日前からライフスタイルを含め、身体全体のバランスを整えていくことの大切さをお伝えしました。
そこで! その指針となるのが「基礎体温」。基礎体温とは、身体が一番安静な状態にあるときの体温のこと。朝起きて布団から出る前に測ります。
基礎体温をつけると、生理周期や排卵日など、女性の身体をコントロールしている女性ホルモンの動きが確認できます。そして毎日継続的に記録することであなたの身体のリズムが見えてきます。
健康的な女性の基礎体温をグラフにすると、下のグラフのような二相の曲線を描きます。
めやすは、
●低温期と高温期の差が0.3度以上
●低温期から高温期へは1~3日以内に移行
●高温期が11~14日間維持している
です。
この理想的な体温と比較して,基礎体温に下記のような特徴が出ている方はライフスタイルの改善と治療が必要です。
●低温期に体温がジグザク上がってしまう
ストレスがたまっていたり、睡眠をしっかりとれてなかったりすると、低温期に体温があがりやすくなります。低温期に体温が安定しないと、卵胞や内膜の発育に悪影響がでます。
(ワンポイント対策)
ゆったりした生活を意識
低温期は早めの就寝を心掛け、ストレスをためないようにしましょう。
●低温期から高温期への移行が3日以上かかる
お身体の冷えが強い可能性があります。
(ワンポイント対策)
足湯がオススメ
身体の内からも外からもしっかりあたためてあげましょう。
●高温期が短い、高温期に体温が下がる
低温期に質の良い卵胞が成熟していない可能性があります。卵胞のクォリティが低いと、高温期に分泌される黄体ホルモンがしっかり分泌されず、体温が下がってしまいます。
(ワンポイント対策)
周期全体を通してのストレス、冷え、睡眠、食事、運動など全般的なライフスタイルの改善が必要です
今回は多くの方に見られる、冷えやストレスからくる基礎体温の乱れについてご紹介させていただいましたが、グラフのパターンは十人十色。一般的に2~3ヶ月間、基礎体温をつけていただくと、ご自分のパターンが見えてきます。そして、いつ、何を、どのように改善、もしくは治療をすればいいのかが見えてくるのです。
このように、排卵日や月経周期だけでなく、ライフスタイルや体調の変化も教えててくれる基礎体温。まだ基礎体温をつけたことがないという方は、是非この機会に始めてみませんか?
妊娠に向けた鍼灸治療では、基礎体温表を参考にしながら、月経周期に合わせて治療方法を変える周期療法を行なうことができます。基礎体温表をつけてる中で、不明点などありましたら、鍼灸師までお気軽にお尋ねください!
東京都品川区在住 A様(40歳)から妊娠のご報告をいただきました
患者様のお声 〜妊娠報告〜A様は、タイミングと人工授精で結果が出ず、体外受精にステップアップされた時に、鍼灸治療を開始いたしました。
冷え性の体質改善を目標としながら、採卵と移植に向けての身体づくりをサポートさせていただきました。最初は基礎体温が35℃台だったり、高温期が長く続かなかったりしましたが、徐々に基礎体温も上がり始め、冷えが改善されていきました。
そして、最初の移植で妊娠しましたが、7週で成長がストップしてしまい流産。その後、しばらくは人工授精をされていらっしゃいましたが、当院でご紹介したクリニックに転院。そこでまた採卵から挑戦し、2回目の移植で妊娠されました。
A様、ご報告ありがとうございました。無事のご出産をお祈り申し上げております。
①当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化してきましたか?
仕事が忙しく出張などで不規則な生活になることも多かったので、改善のスピードは少し遅めだったかもしれませんが、手足の冷えは少しづつ良くなったと思います。あとは担当の鍼灸師さんに言われて心がけたこと(白砂糖はやめて、てんさい糖にするとか。夜は早く寝るとか)もすこしづつ体質改善になったんだと思っています。
②当院に通院して1番良かったこと嬉しかったことは何ですか?
なんと言っても妊娠できたこと!
③治療の過程で、印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。
1度流産してその後なかなか結果が出なかったのですが、その妊娠した時の状況(ホルモン補充していたのに排卵してしまった)から、自然周期をすすめて頂き、結果的に自然周期に近いやり方での移植でうまくいきました。病院でのフレキシブルな対応のおかげでは、もちろんあるのですが、ここで頂いたアドバイスもとても大きかったと思います。
④同じような症状で悩んでいる患者様へのアドバイスやメッセージをお願いします。
個人的な考えになりますが、私はあまり妊娠について考えすぎない、気にしすぎない方が、良いのではないかと思いました。(①で欠いたことと少し矛盾しますが、、)今回の移植周期の前から基礎体温をつけるのもすっぱりやめてしまいましたし、移植前後や妊娠後の体調とかについてスマホで調べることもほとんどせず、なるべく普段通りにすごすことでストレスなくうまくいったのかな?と思ってます。ストレスや不安な気持ちは一番良くないらしいので、ゆったりとした気持ちでその時を待ってみて下さい!
A様、ご報告ありがとうございました。
東京都目黒区在住 N様(30歳)より出産のご報告をいただきました
患者様のお声 〜出産報告〜N様は自然妊娠されましたが流産され、その後クリニックの検査でAMHが低いとわかり非常にショックを受けられたそうです。その後タイミング療法からスタートされ、3回目のタイミング療法中に当院にて鍼灸治療を始められました。
週1回の鍼灸治療を行い、6回目のタイミングで自然妊娠され、妊娠中も週1回の鍼灸治療を継続して受けられて、無事ご出産されました。
鍼灸治療を受けられて、リラックスしていただけただけでなく、不妊治療中の落ち込みがちな気持ちを前向きに切り替えられるようになったとのこと、私どもも大変嬉しく思います。
①ご出産時の様子を簡単にお願いいたします。
出産の数日前より、おりものに血が混じる事があり、出産日に自宅で破水しました。すぐ病院へ向かい、入院。陣痛はまだなかった為、促進剤を使用しました。規則的に痛みが来るようになり、呼吸を整えるよう意識していましたが、赤ちゃんの頭がなかなか出てくれなくて、最終的には吸引分娩となりました。その後の母体回復は順調でした。
②当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化しましたか?
とてもリラックスできるようになりました。それまで落ち込みがちだった気持ちをうまく切り替えられるようになった気がします。赤ちゃんを授かれる身体作りをプラスに考えられるようになりました。
③当院に通院して1番よかったこと嬉しかったことは何ですか?
いろいろな悩みを親身になって聴いて頂けたことです。生活でどのような事に心がけたら良いか、丁寧に教えて下さり、私も前向きになる事が出来ました。おかげ様で、赤ちゃんを授かる事が出来て、出産を迎え、本当に感謝しております。
④治療中の過程で印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。
不妊治療がうまくいかず、辛い気持を受け入れて下さったうえで、私の体調を整えるようにまず頑張ってみましょうと提案して下さった事です。根本的に私の身体を整え、赤ちゃんを授かれる様に考えて下さっているのだと感じ、嬉しかったです。
⑤同じような症状で悩んでいる患者様へアドバイスやメッセージをお願いします。
不妊治療を受けている時は、デリケートな部分もあり、相談しづらい事もあると思います。セラキュアさんは私にとって、とてもリラックスできる場所でしたので、同じように感じて頂ける方が増えると嬉しいです。
N様、ご報告ありがとうございました。
東京都渋谷区在住 M様(39歳)より出産のご報告をいただきました
患者様のお声 〜出産報告〜M様は自然妊娠から流産を経てクリニックに通院されました。当院で鍼灸治療を始めて1回目の体外授精でお子様を授かり、無事ご出産されました。その後、2人目をご希望とのことで再び当院にて鍼灸治療を再開され、5回目の体外授精で妊娠されご出産されています。妊娠を目的に鍼灸を始められましたが、生理周期に合わせた治療と共に、その時々の体調に応じた治療をすることで体調自体が良くなったとおっしゃっていただけ、私どもも大変嬉しく思っております。
①ご出産時の様子を簡単にお願いいたします。
6/25深夜に陣発するも中々本陣痛にならず、18時に女児誕生。破水はなし。自然分娩。
②当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化しましたか?
不妊治療での通院でしたが、その時々の体調に応じた治療もして頂き、体調自体もよくなりました。
③当院に通院して1番よかったこと嬉しかったことは何ですか?
持病のめまいが改善されたこと。
④治療中の過程で印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。
めまいが治ったとお伝えしたらとても喜んで頂けたこと。
⑤同じような症状で悩んでいる患者様へアドバイスやメッセージをお願いします。
不妊治療は先が見えず、終わりがわからない為、気持ちの持って行きようが難しいと思います。自分の性格にあった進め方で少しでもストレスを少なくするのも大切かもしれません。
M様、安産のご報告ありがとうございました!
シリーズ「妊娠できるカラダ作り」スタート!
妊活~東洋医学の視点から当院はスタッフ全員が女性鍼灸師ですので、女性ならではのデリケートなお悩みも気軽にご相談いただけるのが強みの一つ。不妊症に悩まれている方も数多くご来院いただいております。
そこで、知っているようで知らない“妊娠できるカラダを作るために大切なこと”を、今回より10回シリーズでお伝えしていきたいと思います
第1回目は、「意外と知らない卵子のお話」です。
早速ですが、皆さんは毎月排卵される卵子が、何日かけて育ったものかご存知ですか
月経の周期毎に新しい卵子が生まれて、育って、排卵される!と思っている方も多いのではないでしょうか。
答えは、、、、
約180日です
排卵される卵子の元となる原始卵胞は、私達がお母さんのお腹の中にいる胎児の頃に一生分用意されています。排卵の約180日前に眠っていた原始卵胞が目覚めて成長をはじめ、第一次卵胞→第二次卵胞→成熟卵胞と成長をして排卵にいたります。
スタートの段階では複数の卵子が同時に成長をはじめます。このぷくぷくと成長をしている複数の卵子の中から、一番大きくなった成熟卵胞が選ばれ排卵されます。つまり「質より大きさ」が優先されるので、育ってくる卵子のストック全体の質を高め「どれが選ばれても大丈夫!」という状態を作っておくことが、妊娠するためにとても大切です。
では、質のよい卵子を作るにはどうしたらいいのでしょうか
180日間かけて成長していくわけですから、排卵日の前だけでなく、180日前=約半年前からライフスタイルを見直す必要があります。私達が寝不足になったり、しっかり栄養をとらないと肌がカサカサ/疲労困憊になってしまうのと同じように、卵子も栄養不足/睡眠不足ではクォリティが低下してしまいます
しっかりと栄養をとって、十分な睡眠をとり、気血をめぐらせ温かいカラダをつくることが、良いホルモンバランスを保つためにも必要ですし、良いホルモンバランスを保つことで卵子の質を高めることができるわけです。
では、体質別にはどんなことが必要になってくるのか?
次回からさらに詳しくお伝えしていきますどうぞお楽しみに