「ビタミンD」と不妊の関係

「ビタミンD」と不妊の関係

不妊症克服!〜日常生活〜

シミシワが気になるからと、夏はもちろん冬でも常に紫外線を気にして対策をされている方はいませんか?

日光に当たる機会が少なかったり夜型の生活をしていると、知らず知らずのうちにビタミンDが不足してしまうことがあります。そして、それが妊活の妨げになっている可能性があるのですびっくり


ビタミンDは、皮膚に太陽光(紫外線B波)が当たることで体内で合成することができる唯一のビタミンで、別名「太陽のビタミン」とも言われています太陽


このビタミンDは主に、骨や歯の成長・健康のためにとても重要です。

カルシウム代謝を調節するために重要なビタミンで、小腸でカルシウムの吸収を高め、血液中のカルシウム濃度を高める作用があります。

血液中のカルシウムは必要に応じて細胞や骨に取り込まれ、骨や歯の成長・形成を助けるので、ビタミンD不足になるとカルシウムの代謝が悪くなり、骨粗鬆症の原因にもなってしまうのです。

また、骨や歯の形成以外にも、がん予防や免疫力を高める効果・インスリンの分泌を促し血糖値を下げる作用があることもわかっており、健康には欠かせないビタミンのひとつです。

ここまでが一般的に知られているビタミンDの主な働きです。

このビタミンD、実は女性の健康と深い関わりがあります。


なんと妊娠においても重要な働きをすることがわかっているのです。

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ビタミンD不足で妊娠率が下がる

ビタミンDの受容体(受容体とは、ビタミンDをキャッチする器官で、血液と共に流れてきたビタミンDが「鍵」であれば、受容体は「鍵穴」のようなもの)が視床下部・子宮・卵管・卵巣・乳腺・胎盤に存在することがわかっています。

「そこに受容体が存在する」ということはつまり「ビタミンDを必要としている器官」ということです。

卵胞液中のビタミンD濃度が1ng/ml高くなると、妊娠率が6%増加することがわかっており、様々な比較リサーチでも妊娠したグループでは血中のビタミンD濃度が高いという結果が出ています。

また、某不妊治療クリニックの先生のお話しによると、なかなか良い結果が出ず妊娠にいたらない女性は、血液中のビタミンD濃度が明らかに低いという特徴があるとのことです。


ビタミンD不足は初期の流産リスクを上昇させる

着床期の子宮内膜の形成にも、ビタミンDが関与していることがわかっています。

ビタミンDは胚と子宮内膜のコミュニケーションを高める働きがあります。
不足した状態だと、内膜がしっかりと育たず、受精卵の着床を維持しにくくなってしまうのです。


さらにビタミンDは免疫にも関係しています。

身体に細菌などの外敵が侵入すると「抗体」が作られ、異物を攻撃し排除してくれるのが免疫ですが、自分の細胞を攻撃してしまう「自己抗体」ができてしまうことがあります。膠原病や甲状腺疾患をはじめ多くの疾患で自己抗体の関与が判明していますが、不妊に関しても例外ではありません。自己抗体が受精卵を異物とみなして攻撃し、流産してしまうということがあるのです。

習慣性流産の女性を対象に、ビタミンD濃度と自己抗体の関係を調べた研究がありますが、ビタミンD濃度が正常値の(30ng/ml)のグループに比べ、ビタミンD不足のグループに自己抗体を持っている方が多いということがわかりました。

ビタミンDの不足は免疫異常を起こし、習慣性流産のリスクを高める可能性があるのです。



AMHにもビタミンDが関与している

AMHとは抗ミュラー管ホルモンの略で、発育過程にある前胞状卵胞から分泌されるホルモンです。女性の卵巣予備機能を知る指標になると考えられており、濃度を測定することで残っている卵胞の数を測定し、卵巣年齢が何歳くらいか推定します。

AMHはビタミンDによって増加します。つまり、ビタミンDが多ければ多いほど卵胞の発育が良く、AMHの数値が上昇します。
また、日差しの少ない冬場は、夏場に比べてAMHの数値が約18%下がるという結果もあり、ビタミンDとの関係性を示しています。

AMHの数値は年齢とともに下がるというのが定説ですが、季節の変動=ビタミンDの量にも影響を受けているのです。



妊娠・出産後もビタミンDは重要

無事に元気な赤ちゃんを出産した後でも油断は禁物です。
ビタミンDが不足していると、母乳の分泌量が減少することもあるのです。
もともと母体のビタミンDが母乳へ移行する割合が少ないため、赤ちゃんのビタミンDも足りなくなりがちで、発育の障害が起こる可能性もあります。

つまり授乳中は、より多くのビタミンDが必要になります。



このように、妊娠を望む女性にとって、ビタミンDはとても重要な働きをすることがわかっています。

でも強い日差しの中を日焼け止めなしなんて・・・シミやシワになってしまうのは嫌ですよね。

そんな方はまず食品からビタミンDを摂取することを意識してみましょう。

さんま かれい うなぎ いわし さけ あじ きくらげ しめじ 干しシイタケ 鶏卵

このような食品に多く含まれています。

主にお魚ですね魚
お肉を食べることが多い方は、お魚も取り入れるようにしてみてください。


日焼けも気になるところですが、日差しを浴びる時間は長くなくても大丈夫です。

夏場は一日約15分程度 
冬場は一日約1時間程度


週に3日程度、どちらも日差しの強い時間帯に日焼け止めを塗らず、肌の3~4割を当てるだけで十分ビタミンDの合成ができるのです。

夏は熱中症に注意しながら、少しの時間だけ日差しを浴びて、そのあと日傘や日焼け止めなどで紫外線をブロックするようにしてみてください。


ビタミンD不足にならないように、無理のない程度の日光浴と、ビタミンDを多く含む食品を積極的に取り入れて、妊娠しやすい身体をつくっていきましょう。

 

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