妊活中。残暑の中でも大切な水分補給 その1〜経口補水液について〜
〜不妊症克服〜水分補給
今年の夏は35度以上の猛暑日や体温を上回る40度の「酷暑日」もあり、命の危険を感じるような暑さが続きました。9月、10月になっても日中はきつい残暑が続きそうで、油断していると熱中症になる危険があります。
熱中症は気温や湿度が高い環境で体温調節がうまくいかず、体内に熱がこもってめまいやだるさ、吐き気、嘔吐など様々な症状が起こる状態です。屋外での活動だけでなく屋内にいても熱中症になることがあり、こまめな水分補給が欠かせません。
人間の身体の約60%は水分ですが、その5%を失うと脱水症状が出てきます。水分が少なくなると血液がドロドロの状態になり、血流が滞って体に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなります。
妊活中は特にホルモンの働きをよくすることが重要ですが、ホルモンも血流に乗って卵巣や子宮に運ばれるため、スムーズに流れるように水分をしっかり摂りましょう。
しかし、大量の汗をかくと水分だけでなく電解質も失われてしまうため、塩分なども補給する必要があり、熱中症予防に様々な種類のスポーツドリンクや経口補水液が市販されています。どれも塩分や糖分を付加した飲み物ですが、実は違いがあります。
実は別物? 経口補水液とスポーツドリンク
【スポーツドリンク】とは?
運動や日常生活などでの発汗によって体から失われた水分やミネラルを効率よく補給できる清涼飲料水です。運動で溜まる乳酸の分解や回復に効果的なクエン酸や糖分を多量に含んでいるので、水分と塩分補給だけでなく、疲労回復にも効果的です。ただし、500mlあたり20〜40gの糖分が含まれるため、水代わりに頻繁に飲み続けると肥満や虫歯になる危険も。酸性度が強いので、酸で歯のエナメル質の表面が溶ける可能性もあるので、注意が必要です。
【経口補水液】とは?
水にミネラルとブドウ糖を一定の割合で配合した飲料。体液とほぼ同じ浸透圧のため、吸収率・吸収速度が非常に高く、「飲む点滴」と呼ばれています。
経口補水液は、脱水のための食事療法(経口補水療法)に用いるもので、「※軽度から中等度の脱水症の際、水や電解質の補給、維持に適した病者用食品として個別に審査、許可を得て販売されているもの」です。スポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、水と電解質の吸収を高めるために糖質が低い組成となっています。
※脱水症軽度→体重減少が2〜5%(軽い下痢・嘔吐・微熱)、中等度→体重減少5〜10%(喀痰喀出困難・血圧・臓器血流低下・心・腎・呼吸不全)
なお、令和5年5月から、「経口補水液」と表示して販売するためには、特別用途食品の許可が必要となり、広告を含め、許可を受けていない商品に「脱水時」「熱中症対策」等と表示をすると違反となります。購入する時は下記を参考にして下さい。
普段の水分補給は水かお茶で十分です。
経口補水液500mlには食塩に換算すると約⒈5gのナトリウムが含まれており、味噌汁1杯分又は梅干し中1個分に相当するため、普段の水分補給でがぶ飲みするとナトリウムの過剰摂取につながります。高血圧、腎臓病、糖尿病等の疾患がある方は飲用する際は、かかりつけ医に相談を。
普段の水分補給に最適な水とお茶については、次回お話しします。
厚生労働省のリーフレットを参考に、熱中症を予防して暑い夏を乗り切りましょう。
参照:「熱中症予防のために/厚生労働省」 熱中症
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