マザーホルモン「DHEA」

マザーホルモン「DHEA」

不妊症克服!〜日常生活〜

腎臓の上にある「副腎」からは様々なホルモンを分泌しています。中でも妊活中に注目したいのが「DHEA」です。DHEAは数十種類のホルモンに変化する前駆体で、それゆえにホルモンの母「マザーホルモン」とも呼ばれています。

DHEAは、男性であればテストステロン、女性であればエストロゲンに変化していきますが、その他にも下記のような作用があり「若返りホルモン」とも言われているほど。

抗炎症作用・抗酸化作用・免疫機能の増強・細胞の修復・ミトコンドリアの活性・インスリン抵抗性の改善・成長ホルモンの分泌・抗ストレス作用・抑うつ効果・体脂肪の減少

DHEAは妊活だけでなく身体の健康維持に必要なホルモンでもあります。

このDHEAのサプリメントの摂取によりFSHの低下や採卵数・妊娠率が増加したという報告もあり、卵子の質や発育に良い影響があることがわかっています。

 

 

ストレスが大敵

このDHEAはストレスによって減少してしまいます。

ストレスを感じると同じ副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されます。

コルチゾールはストレスに対抗し身体を守るためのストレスホルモンとも言われており、血圧や血糖値を上げて身体を踏ん張らせようと働きます。

長期的にストレスを感じているとコルチゾールによる高血糖に伴い、インスリンの分泌も過剰になることでインスリン抵抗性が行進されてしまう可能性があります。他にもセロトニンの分泌を抑制してしまう作用もあり、精子や卵子の質にも関わってきてしまいます。

しかし身体を守るためになくてはならない必要なホルモンのため、副腎から優先的に分泌されてしまうため、DHEAの分泌が後回しになってしまうのです。

ストレスはこういった部分からも妊活に関わってくるのですね。

 

年齢と共に減ってしまう

さらに20才をピークにDHEAの分泌は自然と減ってきてしまいます。

東洋医学でも年齢を重ねていくと腎のエネルギーである腎精が低下していくため、老化の症状が現れてくると考えられています。

養生としては腎精をいかに消耗せずに日々過ごしていくかが重要です。

 

実際にDHEAの減少と腎精消耗の原因は共通しています。

加齢・夜更かし・睡眠不足・過労(心身共に)ストレス・偏った食事など

 

DHEAを増やすには

夜更かしや睡眠不足はコルチゾールの増加に関わり、DHEAの分泌を減らしてしまいます。東洋医学ではホルモンは陰分にあたり、夜寝ている時に作られるものであるため質の良い睡眠をとることが重要とされています。

目への光の刺激は交感神経を刺激し、睡眠に影響を与えます。

なるべくベッドではスマホを触らないようにしたり、寝る1時間前くらいからお部屋の照明を暗めに落とすのも良いです。睡眠中は豆電球などもつけずに真っ暗にする方が深い睡眠をえられやすいとされています。

食事面ではカフェインやアルコールはコルチゾールの分泌を促すため、摂りすぎてしまっている場合には注意が必要です。コレステロールはホルモンの材料になるため、ある程度脂質をとることも推奨されています。

東洋医学では腎精は脾胃から生成されるため、冷たいものや刺激物(カフェインやアルコール)脂っこいもの・甘いもの・味の濃いものなど胃腸の負担になるような食事に気を付けましょう。また夜遅くの食事も胃腸の負担になるほか、胃腸が動いて消化をしている状態は睡眠の質にも影響しますので、夕食から寝るまで3〜4時間はあけるようにしましょう。

他には下半身を動かすウォーキングやスクワットが副腎への血流量が上がりDHEAの分泌を促し、更年期症状が和らいだという報告もあります。

東洋医学では腎は下半身に関係するため、下半身を動かす運動は腎のエネルギーを生殖器へ循環させるとも言われています。デスクワークが多い方や運動不足の方は、どこでもできるスクワットから始めてみてはいかがでしょうか。

 

マザーホルモンであるDHEAの分泌を促すことは、妊活だけでなく更年期症状やアンチエイジングにもなります。まずはできることから始めてみて、養生して過ごしていきましょう。

 

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