GI値(グリセミック・インデックス)と不妊の関係

GI値(グリセミック・インデックス)と不妊の関係

不妊症克服!〜食養生〜

みなさん、こんにちは。

以前「カロリーオフ商品と不妊の関係」という記事の中で、急激な血糖値の上昇によって引き起こされる”インスリン抵抗性”の怖さについてお伝えしました。

女性の生殖機能に大きなインパクトを与え、妊娠しづらくなってしまうという内容に、皆さんから多くの反響をいただきました。


中でも、特に多かったのは「血糖値の急上昇はどう気をつけたらいいの?」というご質問で、今回は血糖値の上昇に関わる「GI値」についてお話ししたいと思います。


GIとは「グリセミック・インデックス(指数)」の略で、糖質の血中への吸収度合いを示します。各食物の摂取後2時間までに血液中に入る糖質の量を計ったものです。

糖質を含んだ食物(炭水化物)を摂取すると、体内の消化酵素によって細かく分解・消化されてブドウ糖となり、血管内に吸収されて血糖値が上がります。

グリセミック指数=GI値高い食品ほど血糖値が急上昇し、GI低い食品ほど血糖値はゆっくり上昇します。


急激な血糖値の上昇を防ぐには、各食品のGI値を把握していることが重要になります。

具体的には、一体どういう食事を摂ったらいいのでしょうか?

精白米より胚芽米、白いパンよりライ麦パン

血糖値の急上昇の大きな原因となるもののひとつが、ご飯やパンなどの炭水化物です。
これらはエネルギー補給には欠かせないものですが、GI値が非常に高いんです。

 そこで工夫したいのが「少しでもGI値の低い主食に替える」ということ。

基本的に、白く精製されたものほどGI値が高いので、真っ白な精白米よりは胚芽米のほうが、そして白いパンよりはライ麦パンや全粒粉パンのほうが、ぐっとGI値が低くなるのでおすすめです。

ちなみに胚芽米よりも玄米のほうがさらに低GIではあるのですが、玄米は消化が非常に悪く「せっかくの栄養素が吸収されない」というデメリットもあるため、完全な玄米100%のご飯」というのは、実はあまりおすすめできません。その点、胚芽米であれば、胚芽の栄養をしっかりと摂りつつ、GI値対策もできるわけですから、まさに一石二鳥です。


さて、最後にもうひとつ。食べる順番も大切です。

低GI値の野菜から食べよう

食事の際に「GI値の高い食材」が入ってくるのはごく普通のことですから、食べ過ぎなければそれほど気にする必要はありません。

 それよりも「食べる順番」に気をつけることが大切です。

まず最初に低GI値の食品を、ゆっくりと食べること、これが鉄則です。

 

GI値の低い食品は、
海藻類・きのこ類・大半の野菜類・大豆食品
が挙げられます。

もっとも、野菜の中でもとうもろこし・にんじん・芋類・かぼちゃなどは高GIとなっていますが、それ以外のものについてはたいていが低GIです。 

簡単に言うと「一般的な味噌汁の具を最初に食べれば、ほぼ間違いなく低GI値」という感じです。野菜サラダも、にんじんとマッシュポテト以外のものであれば「真っ先にお箸を運ぶ食品」として最適と言えるでしょう。 

スイーツの量を減らして、ナッツ類を食べよう

さて、問題は「おやつ」を食べる時のGI値コントロールです。
現実的に考えて、「スイーツの前にサラダや味噌汁などを食べる」などという人はほとんどいないでしょう。

そんなときには「スイーツの前にピーナッツやアーモンドなどのナッツ類を少し食べる」というのがおすすめです。

 ナッツ類は低GI値で、しかもよく噛んで食べれば「食べた」という満足感が出やすく、さらにビタミンやミネラルも豊富で、栄養的にもすぐれた食品 なのです。血糖値の急上昇を防ぐだけでなく、スイーツの摂取量も減らす効果が期待でき、さらにアンチエイジングのための 栄養補給までできます。

ナッツ類が苦手な人であれば、「酢昆布」もおすすめですよ。こちらもミネラル豊富で、しかもナッツ類以上に低GIです。

妊活中はストレスで心身の疲労が溜まりやすく、ついつい甘いものや炭水化物系の食べ物に手が伸びてしまう方も多いかと思いますが、血糖値のローラーコースターは心身をさらに疲弊させるものです。東洋医学的にも生殖機能にとても大切な「脾」や「肝」の機能に負担がかかってしまいます。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方、PCOS気味の方、月経サイクルが乱れがちの方は特に、GI値に気を配り、血糖値を安定させる食生活を送ることが大切です。

妊娠中の血糖値コントロールや、ご主人の生活習慣病予防にも役に立ちますので、ぜひ毎日の食生活にGI値を取り入れてみて下さい。

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

眠活で妊活!

不妊症克服!〜日常生活〜

みなさまこんにちは!!  
秋から冬へと季節が移り変わり寒さが増してきましたが、なかなか気候が安定しないですね。
気候が不安定だと体調や自律神経にゆらゆらと揺らぎが出て、バランスを崩しやすくなります。

そこで重要になってくるのは、質の良い睡眠を取ることです。

良い睡眠は、ありとあらゆる美容と健康を維持する為に欠かすことのできないもの。

眠っている時間は「無」の状態なわけではなく、起きている時間を充実させる為に必要なのです。

普段私達が睡眠中に行なっていることを大きく4つに分けてみますと!

1.脳と体の休息
2.体内のメンテナンス
3.記憶の定着
4.ストレスの解消


良質な睡眠は起きている時間をより充実したものにしてくれるのが分かりますね。

ではここで、以前思わず読み入ってしまった本から興味深いお話をしてみたいと思います。

世界の中で正しい眠り方を知らないのは、なんと!日本人だけだと言う事実をみなさんご存知でしたでしょうか ?
驚きの事実ですね…

日本では「正しい眠り方ってなんですか?」と聞かれると、おそらく答えに困る方がほとんどだと思います。

欧米をはじめとする海外の学校教育では、眠り方を学ぶ「スリープエデュケーション=睡眠教育」が組み込まれていて専門的な講習まで行なわれているのに対して、私たち日本人の多くは眠り方の基礎さえ学んでいません。

知識として知らないのに、正しく眠る事なんて、到底無理ですよね ……。

「正しい眠り方」=「眠りのメカニズム」 を理解して身に付ける事。 それこそ、現代人に最も必要とされる能力のひとつなんです!

例えば。。。

仕事や遊びで忙しく睡眠不足が続いていると 「 エネルギーを使っているから痩せそう 」 と思いますが、実はその逆。

「 良い睡眠でスリムになり、寝不足になると太る 」 のです。

質の良い睡眠中には、体脂肪や内臓脂肪を分解してくれる成長ホルモンがたっぷり分泌され、どんどん体が太りにくい体質に変わっていきます。

新陳代謝はもちろん、食事で摂った 「糖」 や 「脂質」 の代謝までアップするので、冷えが取れ「健康的に妊娠したい女性」にはうれしい事ずくめです!

最新の研究で、睡眠時間は 体重 ・ 体型、また妊娠しやすいからだを手に入れることと大きな関係がある事がわかってきています。眠活で脳を味方につければストレスを感じることなく適正体重を維持し、妊娠力をアップすることができるのです。

その理由は、ちょっと専門的な内容になってしまいますので、興味がない方は緑色の字の部分を飛ばしてくださいね 。

脳の視床下部にある食欲中枢は、空腹感をコントロールする摂食中枢と、満腹中枢で構成されています。
摂食中枢が働くと食欲を増すホルモン
グレリン が分泌され、満腹中枢が働くと食欲を抑制するホルモンレプチン が分泌されます。

さらに睡眠時間が減ってグレリンが増えると、目を覚まさせる働きに加えて食欲を増す作用のあるホルモンオレキシン を分泌させる神経細胞が興奮する事もわかっています。

つまり『 睡眠不足 レプチン分泌低下 → グレリン分泌増加 → オレキシン分泌増加 → 食欲増進 → 起きて食べる → 肥満 』という風に、このような負のスパイラルに陥ってしまうのです

睡眠が私達にとって重要なのは、体重コントロールだけではありません。女性ホルモンのバランスとも密接に関連しているので、妊活に大きな影響を及ぼすのです。

一般的に40歳を過ぎた頃から、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下するといわれています。基礎体温の主に低温期に分泌されるこのホルモンは、東洋医学の陰陽論では「」のホルモンと考えられています。


」は、男性的なエネルギー・太陽・昼・動・明・熱
」は、女性的なエネルギー・月・夜・静・暗・冷

というように分類されます。

女性はのグループに含まれ、エストロゲンもまたに分類されます。

のエネルギーは「夜=の時期」に「の活動 = リラックス(静)」をすることで養われます。

逆を言えば、夜に「の活動=動き回ること、脳を酷使すること」をしていると、=エストロゲンの作用が弱くなってしまうのです。例えば、内膜が薄くなる、卵胞の育ちが悪い、頸管粘液の減少、ひいては高温期に体温を維持できなくなる黄体機能不全に発展することも。

東洋医学では、日没後は薄暗い中でゆったりと食事をして睡眠の準備に入ることをすすめています。しかし現代社会では、日没後にTVを観たり、ネットサーフィンを楽しんだり、仕事をするなど、「」の時間帯に「」のアクティビティをしていることが多く、そのことが不妊や生理不順などの原因の一つになっている可能性があります。

心当たりのある方、多いのではないでしょうか? 特にお仕事をお持ちの女性は、なかなかなか「」の時間をキープすることがむずかしいですよね…。

少なくとも睡眠の質を大きく左右する就寝1時間前は 、「 リラックスする時間 」 と決めて、パソコンやTVを消してみることから始めて見てはいかがでしょうか。

できることならば、家に帰ったら仕事はしない。寝る前にスマホやパソコンをしたり、TVを観ないように。寝る2~3時間前までに夕食を済ますことも大切です。

そして、お部屋を暗くしたら早めにベットに入り目を閉じてゆっくりとリラックス。

それによって仕事が溜まってしまうようでしたら、日の出と共に起きて仕事をすることは、「」のエネルギーを消耗することがありません。

都会で働いている方にはなかなか難しいことですが、できる限り「洞窟に住んでいた原始時代」のような生活リズムを心掛けることも妊娠への近道です

私自身も睡眠について改めて学ぶことで、眠るまでの時間の過ごし方に気をつけていこうと思うようになりました。
この機会に眠活に力をいれて心も体も健やかに過ごせるようにがんばっていきましょう!

~参考~
以前、睡眠時に分泌されるメラトニンと卵子のクォリティの関係について、ブログでご紹介させて頂きました。ご覧いただいてない方は、こちらをクリックして下さい。


*参考図書
「睡眠 1日9時間のキレイの近道 睡眠美容術 」友野 なお 著 中央公論新社 より。

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

妊娠できるカラダづくり シリーズ第10回 「五臓タイプー腎について」

妊活~東洋医学の視点から

妊娠できるカラダ作りシリーズもいよいよ最終回です

10回目の今回のテーマは、、、
妊娠にもっとも深く関わる「腎」です。(※ご自分の五臓タイプは?チェックがまだの方はコチラ

東洋医学では「腎」を強くすれば、自分の生命を維持する力・新しい生命を生み出す力をUPさせることができます。妊娠力もあげつつ、アンチエイジングにもつながる、なんて素敵なのでしょう早速「腎」について、見ていきましょう


●命育む力をつくる「腎」
西洋医学では「腎」は泌尿器系の臓器として水分代謝に関わります。東洋医学でも、「腎」は水分代謝において重要な役割を果たしていますが、それだけではなく妊娠・出産おいてとても大事な「生命エネルギーを貯蔵し、成長・生殖能力を支える」という働きもしているのです。
東洋医学において人の生命の源になるものは、2つあります。1つは先天の精(先天的に生まれ持ったエネルギー)。もう一つは後天の精(後天的に飲食物や呼吸から取り入れられるエネルギー※後天の精についてはコチラ )です。この2つの精が、命を育むためには必要です。
人は両親から先天の精を受け継ぎ、生まれてきます。この先天の精を使い、人は成長し生殖能力をつけていきます。後天の精は、加齢とともに減少する先天の精を補充しています。この先天の精を貯蔵し、生命活動に生かしているのが「腎」なのです。「腎」の機能が低下すると、生命の源となる精が消耗し、老化の加速や生殖機能の低下につながります。「腎」が強く精が充実している人は、若々しく元気で生命力も旺盛です。「腎」が弱く精が不足している人は、生命力が弱く老化や免疫力の低下・不妊などの症状が出やすくなります。

なぜ「腎」の機能が低下してしまうのか。「腎」を強くする方法はあるのか。命育む力をつけるため、しっかり解決していきましょう


●妊娠に重要な「腎」の働きはコレ
① 精(生命の源)を貯蔵し、成長・発育に関わります。また、性機能・排卵・月経など生殖機能の周期的変化をコントロールしています。基礎体温は安定してますか?

② 全身の温冷バランスを調節しています。冷えのぼせなどはありませんか?

③脾や肺と協力して、体内での水分の貯留や排泄をコントロールします。むくみありませんか?

④呼吸で取りいれた「気」を、体の深いところまで引き下げ巡らせます。気づくと呼吸が浅くなってること、ありませんか?

⑤嫌いなものは、寒さです。冷えはきつくないですか?

髪の毛を滋養し、生殖器・肛門の機能を管理します。最近歳を意識する機会増えていませんか?
 

●生命の源泉「腎」
 五臓を「木・火・土・金・水」に分類する五行論では、「腎」は「水」土壌を潤し、植物に栄養を巡らせる生命の源です。「水」がないところに植物が育たないのと同じで、不妊治療においても、生命の源である「腎」のベースがしっかりしていなければ、なかなか結果にはつながりません。


●こんな症状が出ていたら「腎」が弱っているサイン!
白髪が目立ってきた、が聞こえづらい、膝腰つらい、精力が減退した。
  →腎が弱くなると老化が加速し、腎が滋養している髪・耳・骨・膝・腰などに異常が出てきます。変化に気付いたら早めの対策を!
 
びくびくしやすい 最近神経質になってきた。気力がでない。
→精力を巡らせ、粘り強さや根気を生み出しているのも腎。治療に積極的に取り組めなくなってきた。夜物音ですぐ目が覚めてしまう。そんな時は腎が疲れているのかも。
 
疲れやすい、冷えがきつい、下腹部が力ない感じでぺこぺこしている。
→腎が衰えると、生命力が弱まるため全身の臓器・筋骨が虚弱になります。結果、体温や体力の低下につながります。不摂生や睡眠不足で疲れがたまっている時、ご自分のおなかを触ってみて下さい。おそらく腎気があつまるが下腹部(丹田)が弱々しくペコペコしてるはずです。

むくみがひどい
→腎機能が低下すると、水分代謝がうまく調節されずむくみがでます。下半身の冷え、むくみ、疲れを感じたら、それは腎がよわっているサインです。
 
●その生活、「腎」を酷使していませんか?
① 夜遅くまで、スマホテレビ→「腎」を強化するには良質な睡眠が不可欠。寝る前の光は交感神経を興奮させ、眠りの質を低下させます。

②不規則な食生活。3食規則正しく食べていない。→食から作られる後天の精が不足すると、先天の精の消耗も早くなり、「腎」機能が低下します。

③薄着や足首出しファッション。→冷えは腎に直接ダメージを与えます。

④何事も気合で頑張りすぎちゃう。→働き過ぎ、飲みすぎ、食べ過ぎ、遊び過ぎ、寝過ぎ。何事もしすぎは禁物!疲労は腎精を消耗します。


●腎を強くして妊娠力UP+アンチエイジング
十分な睡眠→腎を強化するには良質な睡眠が不可欠。特にPM10時~AM2時の間に熟睡している状態が理想的です。   

適度な運動をして、足腰を鍛える→下半身の強化は「腎」を養います。

冷え対策→腎は冷えが大嫌い。体を冷えから守り、特に腎に関わる腰回りや下半身は冷やさないようにしましょう。

黒い食べ物ねばねば系。→海苔、黒ごま、黒米、黒豆、なつめ、ひじき、おくら、山芋、木の実。お茶ならほうじ茶。じっくり火を通して作られるので、体を温めてくれます。

エネルギー温存→過労、食べ過ぎ、遊び過ぎなど、し過ぎは、腎のエネルギーを消耗させます。何事もほどほどに、、、

深呼吸→「腎」の気を深く吸い込み体内に取り入れる機能をサポートしてあげましょう。

養生→規則正しい食生活、鍼灸、漢方など養生をしっかりすることで、後天の精が増し、加齢によって減少する先天の精の減少のスピードを遅らせることができます。


いかがでしたか「腎」タイプにあてはまる方は、是非今日から「腎」強化を意識して妊娠力をUPさせていきましょう

待合室にかわいいツリーハウスが建ちました

待合室の季節のお花

セラキュアの待合室に、早々にクリスマスがやってきました!

 

今年のコンセプトは「ツリーハウスへようこそ!」

「森の大きな木の上に建つクリスマスツリーの形をした家、プレゼントをかかえたサンタ、てっぺんまで登った元気なスノーマン、みんな笑顔で手をふってくれています。皆様どうぞあたたかい気持ちでクリスマスを迎えられますように」

と、華道家の島田光和さんからメッセージをいただきました。

 

今回は作業中の様子も。

後ろ姿で残念ですがいつも待合室を華やかに飾ってくださる島田さんです。

バラバラの材料が、みるみるうちに素敵なアレンジに大変身する様子を観察していると、プロの仕事はすごいな〜と毎回感動してしまいます!

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かわいらしいマスコットについつい触りたくなってしまいます。見ていると気持ちがほっこり温かくなりますね。

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ぜひ待合室でクリスマス気分を味わってください。

トナカイさんがほわほわと揺れながらお出迎えしてくれます。

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メラトニンの卵子クォリティ改善効果

不妊症克服!〜日常生活〜

以前「意外としらない卵子のお話」で、卵子の老化についてお伝えしました。(※まだお読みでない方はコチラ
排卵される卵子の元となる原始卵胞は、私達がお母さんのお腹の中にいる胎児の頃に一生分用意されています。そのため、今排卵されている卵は、自分と同じ分だけ歳を重ねています。加齢とともに卵子は歳を取り、妊娠できる能力は低下していきます。眠っていた原始卵胞が目覚めて成長をはじめ、第一次卵胞→第二次卵胞→成熟卵胞と成長をして排卵にいたるまでの期間は約180日つまり卵子の老化を食い止め、質を改善するためには、少なくとも半年以上をかけてライフスタイルを改善することが大切です。
*内膜や卵胞の質の改善は、冷えが取れて血流が改善されればもっと早く実現できます。


ここで、卵子の質を改善する作用があると注目されているのが「メラトニン」
ある研究では、メラトニンを摂取すると変性卵率が低下し、受精率が上昇したという結果が報告されています。メラトニンの抗酸化作用は、卵巣内酸化を抑制し、卵の質を改善することができると期待されています。


そもそも「メラトニン」って何なのでしょう


●睡眠が卵の質を左右する!?
メラトニンとは、脳の松果体という場所から分泌されるホルモンです。メラトニンには1日の中で分泌リズムがあります。朝光を浴びると分泌がとまり、暗闇で分泌が促進されます。朝日を浴びてから約14時間~16時間後徐々に分泌が高まり、深部体温を低下させるとともに眠気を誘導します。いわゆる、「体内時計」をつくっているのがメラトニンです
 
ところが、夜に強い照明の中にいたり、朝の光を充分に浴びないと、体内時計が乱れ、メラトニンの分泌も減ってしまいます。メラトニンの分泌のピークは午前2時。その時間に熟睡をしている状態が理想です。眠りが浅い、寝付きが悪いなどの睡眠トラブルがある方は、体内時計が乱れ、メラトニンの分泌が低下している可能性があります

そしてメラトニンには、体内時計を作るだけではなく、体を老化から守ってくれる抗酸化作用もあるということがわかってきました。抗酸化作用とは、体を酸化=老化から守ってくれる力のこと。切ったリンゴが空気に触れて時間がたつと酸化して茶色く変色するように、私達の体も酸化し錆びていきますその酸化の原因となるのが活性酸素。この老化を招く活性酸素を追い出す抗酸化作用をメラトニンは持っているのです。すごいと思いませんか?!メラトニンの分泌が低下しているということは、卵の酸化=老化のスピードも早いということです。メラトニンを分泌させる生活を身に付け、体も卵もアンチエイジングしていきましょうDASH!



● メラトニンを分泌させる習慣を身につけよう
朝の習慣
①起きたら早めに朝日をあびてメラトニンの分泌リズムのスイッチオン。
朝食を食べることで、基礎代謝をアップして、体を活動モードに。
同じ時間に起床し、メラトニン分泌サイクルを一定に。



夜の習慣 
夜は強い光を浴びず、メラトニンの分泌を促進!
寝る前にお風呂や足湯で体を温める!一度体が温まった後、深部体温が低下すると眠気が誘導されやすくなります。その温度差が大きいほど、疲労回復や質の高い睡眠につながると言われています。温泉に入った翌日は、体がすっきりしていませんか?
カフェインの摂取は午前まで!睡眠の質をさげないよう、午後は控えましょう
ベットで本は読まない。脳が活動モードになってしまいます。
夕食は寝る3時間前までに。インスリンが分泌されると、眠りの質が低下することがわかっています。


●メラトニンって摂取できるの?
アメリカではサプリメントとして流通していますが、日本では認可されていないため購入することはできません。メラトニンの分泌を促進する以下の食べ物から取り入れていきましょう!
  

OKオススメ食材はコチラOK
 ブロッコリー、アスパラ、フレッシュミント クルミ、ざくろ、黒茶など
 またメラトニンの原料となるのは蛋白質。大豆や鶏肉、卵なども不足しないよう意識して取り入れていきましょう

NGこの食生活はNGNG
  血糖値の乱高下は体にとってストレスとなり、メラトニンの分泌を低下させると言われています。血糖値を急激にあげてしまう甘いものは取り過ぎないように注意しましょう。食事の後、すぐ怠くなったり眠くなったりする方は血糖値の乱高下が起きている可能性大。食事をする時は、いきなりご飯やパンをたべるのではなく、サラダや食物繊維から食べるようにすると、血糖値の上昇が緩やかになります。

また食後血糖値の上昇度合いを測る指標として、GI値(グリセミックインデックス)があり、GI値が高いほど血糖値が上昇します。例えば、主食の食パンは90以上、白米は80~89、うどんは80とGI値は高めです。けれど、ライ麦パンやおそば、玄米は50~59とGI値が低め。GI値が低いものを選ぶだけで、糖の吸収を緩やかにすることが可能です。また色の濃いものは、白いものよりGI値が低い傾向があるので、食品を選ぶ時に意識してみて下さいね


以上 いかがでしたか

東洋医学でも、日没後に活動したり、夜更かしをしたりしていると、体を潤す力が低下し、卵子が育ちにくくなると言われています。


お布団に入ると、手足だけ火照って外に出したくなる、寝汗をよくかく、うんちがうさぎのフンのようにコロコロしているウサギ
、、、などの症状に心あたりがある方は、体を潤す力が低下し、卵子の質や成長に影響がでている可能が大叫びあせる

メラトニン同様、質の良い睡眠をつくる生活を意識していただくことで、体質を改善することは可能ですアップ
ぜひ今日から意識してみてください

妊娠できるカラダづくり シリーズ第9回 「五臓タイプー肺について」

妊活~東洋医学の視点から

妊娠できるカラダづくり 第9回の今回は、、、、

「肺」タイプについてお話していきたいと思います(五臓の体質チェックはコチラ から)

●「肺」って何?
西洋医学では、肺は呼吸機能に関わる臓器です。空気中から必要な酸素を吸い込み、体の中から不要な二酸化炭素を吐き出します。一方東洋医学では、「肺」は呼吸機能だけではなく、水分代謝・免疫機能・血液循環にも関わっています。呼吸を通して入る「息」と食事を通して入る「飲食物」を合わせて、「肺」東洋医学におけるエネルギーである「気」を作ります。この「気」は、体を温めたり、血を造る材料になったり、病気から体を守ったりと、生きる源となるエネルギーです。やる気・勇気・根気・・・など、自分を震い立たせるパワーがある言葉には、「気」がつく言葉が多いですよね。「肺」の気の働きが弱ると、血を造るパワーも、体を守るパワーも弱くなります。東洋医学での不妊治療において、「肺」はとても重要な働きを担っているのです。

「木・火・土・金・水」に分類される五行論では、「肺」「金」に分類されます。「金」とは変化するもの、混じり気のない純粋なものです。樹木の成長において不必要なものを排除したり、「実」を実らせ次の時代へ生命を伝えたりする変化を「肺」が担っています。みなさんの不妊治療においても「実」を実らせる為に、今回はしっかり「肺」について勉強していきましょう♪


●「肺」ってどんな働きをしているの?

①呼吸→呼吸を通じて肺は、宇宙の気(陽気)を体に取り入れます。この宇宙の気と、飲食物から得られた地球の気(陰気)が調和することで、生命力の源となる「気」がつくられます。「天」「地」のエネルギーがあわさることにより「人」が作られるという、東洋医学の考え方です。肺が上手く働かなければ、生命力の源である「気」のパワーも落ちてしまいます。生理周期でいうと、排卵期は卵子が卵巣の壁を破って排卵するため、すごくエネルギーが必要な時期。「気」のパワーが落ちてしまうと、無排卵だったり排卵後の体温の上昇が何日もかかったりすることがあります。

②気の生成と循環→「肺」の働きによって作られた「気」は、全身をめぐります。「肝」や「心」も「気」の循環に関わっていますが、スプリンクラーのように「気」や「水」を全身にまいてくれるのが「肺」のお仕事です。

③血液循環→飲食物から得られる「エッセンス」と「気」が、上手に混ぜ合わさると「血」ができます。また「気」は「血」と一緒に全身をめぐり栄養を届けます。「血」と「気」。どちらかが欠けても、全身の血液循環はうまくまわりません。肺の機能が落ちてしまうと、子宮や卵巣に栄養と血液が届かず内膜が薄い、卵が育ちにくいという状態になることも。着床に必要な内膜のふかふかのベットを作るためには、気血の循環が必要です。

④水分代謝→「肺」の働きによってスプリンクラーのごとく全身にまかれた「水」は、「気」の体温調節機能や免疫機能の働きによって、水分代謝を調節しています。具体的には発汗や排尿、毛穴の開閉調節をしています。つまり汗が全く出ない、肌がカサカサしてる、むくみがひどい・・・などという症状が出ている時は、「肺」や「気」のパワーが落ち始めているサインです。
 
⑤免疫機能→肺の免疫機能を例えていうなら「窓」。体の中に風邪などの邪気が入らないよう「窓」を閉じたり、入ってしまった邪をすぐに追い出すために「窓」を開けたり。体の中の気や水が外に出ていかないよう「窓」を閉じたり、余分な水分を外に出す為に「窓」を開けたり。この「窓」が壊れてしまったら、邪気が入り放題。「気」や水は漏れ放題になってしまいます。


●肺の働きが弱くなる原因はこの3っ
①乾燥・・・「肺」は乾燥に弱い臓器とされています。今の季節、暖房の使い過ぎには注意が必要です。

②水分代謝の異常・・・汗のかき過ぎは、「水」と「気」を外に追い出しすぎてしまいます。「水」が少なくなれば、乾燥に弱い「肺」の力はどんどん弱まるばかり。また肥甘厚味や生冷の過食など(覚えてますか?肥甘厚味についてはコチラ )により、体に湿気がたまりすぎると、肺のスプリンクラー機能がうまく働かなくなります。べたべたした水はスプリンクラーではまけません。

③気分の落ち込み・・・五臓に感情を分類すると、肺は「悲」と「憂」。鬱々と我慢したり、クヨクヨと悲しんでいたりすると、精神状態はどんどん悪くなり呼吸も乱れてきます。呼吸が乱れれば、「肺」の働きも弱まりますし、生命力の源である「気」の出し入れがスムーズにできなくなります。


●こんな症状がある人は「肺」が不妊の原因かも
①呼吸器の異常→
咳がでたり、声が出にくかったり呼吸器に異常がでます。

②気血の不足→体のエネルギーの源が不足するので、冷え・疲労倦怠感・立ちくらみなどの症状がでやすくなります。


③水分代謝の異常→
鼻水がたまったり、汗をかけなくなったり。冷えがあるのに汗が出すぎたり、むくみや排尿障害がでたり。また、お肌の水分調節も上手くできないので、お肌はカサカサ。喉はカラカラ。水分をとったところで、肺のスプリンクラー機能が低下している場合はすぐには改善できません。

④免疫機能→体を守る「窓」が空きっぱなしになるので、風邪をひきやすくなったり、汗が止まらなくなったりします。


●「肺」が弱い方へのアドバイス
①夏のエアコン要注意! クーラーにあたりすぎると、汗を自然にかきにくくなります。肺の水分調節の「窓」をスムーズに開閉させるためには、自然に発汗させることも重要です。

②冬は暖房にも要注意!暖房によっておこる「乾燥」は、肺の機能を低下させます。
加湿器を付けたり、換気をしたり、乾燥しすぎないよう注意してください。濡らしたタオルを部屋にかけるのも効果大!喉の乾燥には、ミントティーやカモミールティーもおすすめです。

③肺を潤す食べ物はコレ!
フルーツなら「秋」に出てくる、りんご・ぶどう・柿など。色は「白」の、白きくらげ・山芋など。味は「辛味」で、ネギ・たまねぎ・にんにく・生姜・シナモンなどがおススメです。もちろん、食べ過ぎは逆効果なので気をつけてくださいね。

④気分の落ち込みは気の滞りにつながります。呼吸を意識することで、気の滞りを防止!ウオーキングやヨガは、気の滞り防止に最適です。

⑤汗のかき過ぎには注意!汗をかきすぎると、「肺」や「気」のパワーが弱まり、「水」も不足します。「肺」タイプに人は特に、岩盤浴やサウナなど、汗をかき過ぎないよう気を付けてください。

⑥しっかり休息!たっぷり睡眠をとって、疲れをためないこと。
無理をしすぎると、どんどん「気」を消耗して「肺」の力も弱めてしまいます。


いかがでしたか
「肺」タイプの方は是非参考にしてみて下さい次回はいよいよ不妊克服の鍵となる「腎」についてお話していきますお楽しみに

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